バタン...ドアがしまる。
俺は手元に残った入部届けを見ながら言う
思い出してきた。部員がゼロになって廃部になった軽音に強引に入り、文化祭では部活として認められないならと有志団体枠で1人ドラムをやってた人だ
ギターか、ボーカルだったらまだ救いようがあったのにって思ったんだ。
結構面倒なことになってた筈だ。
けど、喉から手が出るほど欲しいパーカッションができる人材なのだ。
パーカッションは部の要だ。
絶対必要。
けど、今任せられる人間はいない。
夢に近づくためには必要すぎる人なのだ
所沢がスマホを、いじりはじめた。
すずねにラインでもしてるんだろう。
どーせあいつは帰ってる。
面倒なことにだけはならないでほしい。
あいつを傷つけたくない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。