~柚乃side~
♪カランカラン♪
ORANGEのアンティーク調の扉を開ける
光希さんは、ORANGEのマスター。年は大学生くらいかな。背が高くて、線の細い印象のイケメンだ。やっぱカッコいい
と突っ込んでひょっこり柱の影から顔を出したのは...
何でまたここに...
~透馬side~
♪カランカラン♪
客のようだ。こんな変なやつがやる店にくる奇特なやつがいるのかと驚く。
なにか客と喋っている。女のようだ。
い、いかん。反射的に突っ込んでしまった
聞こえてないといいが...
聞こえてたらしい...えマジか...
アイツも明らかに狼狽えている。ここをどう打開するか...
昨日の一件で偉そうなことを言ったため、勝手に気まずい状況だ...
と言われて肩を抱かれた。生まれて初めてコイツに感謝だ。ただし、肩を抱くな。
あとで、追加でケーキを頼もう
~柚乃side~
....ビックリ。光希さんが先輩のいとこだったなんて!仲いいんだなぁ羨ましい
私がここに来た理由....言えるわけない!特に先輩には...先輩へのお礼のプレゼントなにがいいか相談に乗ってもらおうとしにきたなんて!
先輩が吹き出した。そんな面白いこと言ったかな。
なんか、いつも通りだ。あんなことがあったから気を使われたらどうしようって思ってたけど、いつものまんま。
嬉しいけど、ちょっと寂しい気がするのはなんでだろ?変なの
今なら言える
先輩は、驚いたような表情になった。
そして、ヒラヒラっと手を振って
とだけ言った。
広げて見せたのは、部員募集のポスターだ。
なんか、先輩がいれば全部うまく行く!そんな気がした。
休日編 END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!