意気揚々と職員室で声を出すと、先輩に口を抑えられてしまった。これじゃ喋れないよ!
あ、ちょ先輩置いて行かないで!
歩きながら、先輩は話してくれた。古典部の顧問は異動してない。つまり、顧問になってくれる可能性がある、と。なんでわからないんだと軽くけなされたけど、きっと先輩流の愛情表現なんだ。うん多分…きっと…
また口を塞がれたようだ。一体何がダメなんだ?
完璧過ぎると笑顔に思わずドキッとしてしまう…女形の顔つきだけど、先輩ってやっぱ美形なんだ。うわーなんかムカつく。あんな口悪いのに。
この笑顔に動揺しない先生。美人は違うなあ
先輩が話せって言うように目で合図してくる。
先輩が驚いたような表情をしている…やってしまった。音楽やってたことはヒミツにしようと決めてたのにー
よくないと思います。
えーーーー私1年なんですけど!ちょっと待ったあ!
とは言えず、私は副部長に…
まだまだ道のりは長いっ!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。