- あなた 20years old -
《 訓練所 》
5年ぶりだろうか 。
只今 、私がお世話になっていたトロスト区近郊の
訓練所に来ています 。
正直言うと 、ここに来るだけであのキツイ訓練が
思い出されるから来たくなかったんだけど 。
エルヴィン団長の命令に逆らうわけにはいかない 。
でもいざ来てみると 、苦しい事だけじゃなく 、
楽しかった事も思い出された 。
ああ 、会いたいなぁ …………… 。
すると訓練兵らしき男性が小屋の中から出てきた 。
多分 、キースさんに頼まれた今日の案内人だろう 。
私はグラウンドに整列している今年の訓練兵を見る 。
キース ・ シャーディス 。
今は第104期訓練兵団の指導教官だが 、
元々は第12代団長として調査兵団を率いていた 。
キースさんが団長の時代から 、私は調査兵団に
所属しているから 、彼の事は知っている 。
彼は ……… 、変わってしまった 。
私はそう言って 、苦々しく笑う 。
キースさん 、聴力良すぎませんか ? ?
グラウンドの中心から 、だいぶ離れているのに
なんで会話聞こえてるんですか 。
そう言いながら 、キースさんはこっちに来いと
手招きをしている 。
私は少し早足で 、キースさんの元に向かった 。
To be continued….
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!