《テオくんside》
2人で布団に入ってゴロゴロしていると
急にじんたんがそんなことを言い出す。
触った感覚は相変わらずないのだが
何故か暖かく感じる布団でそう聞き返した。
うつ伏せになって
重ねた腕に顔を乗せたまま
しゅん、という効果が似合いそうな表情で言う。
..でも俺は諦めてない。
信じてるんだもん、
絶対またじんたんが生まれ変われるって。
それに、と続けようとするじんたん。
..俺、と、言葉を詰まらせてしまう。
じんたんを励ますように言った。
綺麗事、って言われちゃうかもしれないけど。
..だから気にしないでほしい、と
自分でも驚くほど小さい声で呟く。
こんなに強気でも俺だって
本当はすごい不安だし
なんならまだいなくなってほしくない。
..でも、俺が強くならなきゃ。
そう、笑顔で言った。
.
.
____ 君は僕を、忘れていいんだよ .
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。