《テオくんside》
じんたんが亡くなった矢先
途方に暮れる暇もなく降り掛かってくる仕事。
本当は " じんたん " という余韻に浸りたいのに
それすらさせてくれないまま
神様は時間を、そして人々を動かしていく。
気力なんて起きないし
誰かのために自分を犠牲にする意識なんてない。
それほどに俺の心は疲れていた。
神様なんだから
人の心の状態くらいは分かってくれると思ったのに。
それでも俺は逆らわずに
その時間と人々の流れに合わせて
笑顔を作り、自分を作り、心を作り。
自分でも自分が心配になった。
もし俺が何もする気が起きなくなって
じんたんの跡を追いかけるようなことをしたら?
でも本当は俺も分かっている。
神様はそれすらさせてくれない。
俺に勇気すらくれない。
だから俺は
今までにないくらい単調な人生を
ただ単に、だけど精一杯、生き抜いている。
この先きっと
俺が恋をすることはないんだろうな。
こんなに心が疲れているのは初めてだから。
でもこれじゃ、かっこ悪いからさ。
ちょっとかっこいい言い方させてよ。
俺はこれからも
" じんたんだけ " を、愛し続けるね。
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____ good bye my sweet love bye‐bye .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。