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第28話

27話
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2021/10/15 03:05
貴方 (仮面かぶってます)
貴方 (仮面かぶってます)
あなたはそれを理解している。
あなたはどこへだって行ける。
あなたは不正解を選んでいる。
ここに地獄はない。
あなたには住みかも、食べ物も、正しい気候も、選択することも、すべて与えられている。
あなたはそれを理解している。
あなたはそれを錯覚している。
あなたはそれを理解している。
あなたはその上で理解ができない。
ここに地獄はない。

サードパーソンが遠のく。
間近で見ていたわたしの頭から視点が離れていく。

離れていくわたしの、頭の周りに何があったのか、だんだんと分かっていく。

私の姿はどんどん小さくなってく。
私が小さくなっていく度に視界が広くなっていく。
私はどんどん小さくなっていく。

1つもあなたに話したいことがない。
夜に飽きている。

あなたはそれを□□している。
あなたはどこへだって□ける。
あなたは□□□を□んでいる。

ここに□□はない。

あなたには□みかも、□べ□も、□しい□□も、□□することもすべて□られている。

あなたはそれを□□している。
あなたはそれを□□している。
あなたはそれを□□している。

あなたはその□で□□できない。
ここに□□はない。

新鮮な幸せを食いつぶしている。古くなったら捨てている。

振り返ると腐敗物でできた道ができていて、ぐずぐずに蟻がたかっている。

それは腐敗物のはずなんだけど、どうしてか有難って、啜っている。
わたしは、わたしが捨てたものにしか価値を感じられずに、また新しいものを捨てていく。

砂を噛むようで味気ない幸せを何回も使い捨てて、それが無くなるのをただ恐れている。
恐れながら進んでいる。

頭の引き出しに限界を感じる。
1つ入れてまた開けようとすると、もう開かなかったり、中身がすり替わっていたり、もう取り出せずにこびりついていたりする。
なんだかもやがかかったようで、うまく話せない。
ぼんやりとしか思い出せない。

これを「頭の病気で、なんらかの制限がかかった状態」だと思えれば
頭の病気を直してすっきり新しく人生を始める気分にきっとなるんだろうけど、「頭がすっかり死んでしまっているので、もうこれ以上良くならない状態」だったらと思うとどうしていいか分からない。

今まで出来たことを繰り返しなぞっていくのは、本当に退屈で、
また、屈辱で
きっとわたしには耐えられない。
すっかり殺してしまったのは、多分私だから
誰もきっと責められない。

こんなに分れない人生だと思って、生きていなかったでしょう。

これから先、あなたの人生は何が大切だったか分からないし
みんな何に惹かれて生きるのか分からないし
その自分をきっと特別な存在だと思って生きるでしょう。

でもそれはあなたに穿った視点を与えられたのではなくて
ただあなたが何も分かれないだけなのに。
こんな感じでいます
ルパン三世
ルパン三世
ずっとそうやって顔に着けてて辛くないのか?
貴方 (仮面かぶってます)
貴方 (仮面かぶってます)
辛くないよ〜。これはね、僕を守ってくれるから!外さないようにしてんだぁ
ルパン三世
ルパン三世
守ってくれる?誰が?
貴方 (仮面かぶってます)
貴方 (仮面かぶってます)
言わないよ。それはね、約束だから

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