『ゴホッゴホッ』
朝、ご飯を食べてるときにテオくんが咳をした。
『、、、調子悪いの??』
テオくんは私をみて笑った。
『ん、大丈夫だよ。』
大丈夫なわけない。
絶対無理してる。
テオくんがうそをついたときは
二重がくっきりする。
みやが前に教えてくれた。
いまも二重はくっきりしている。
『うそつき、、、』
『え、、、?』
私はテオくんのおでこに手を当てた。
、、、熱い。
それにほっぺもすこし赤い。
『、、、なんで無理すんの。』
テオくんは苦笑いをして言った。
『ばれたか、、、笑』
テオくんの腕を掴んで寝室に向かった。
そして、毛布をかけて冷えピタをおでこにつけた。
『今日は寝てて。』
『え〜、なんで、、、』
残念そうな顔をしながら呟くテオくん。
『当たり前でしょ、なんで無理すんの。』
『今日は撮影がないから、
あなたと遊ぼうと思ってたのに、、、』
ばか、、、
最近、スカイピースの方が忙しくなってきて、
テオくんと遊ぶことが減った。
テオくんはそのことを気にしてるんだと思う。
『私のことなんかいいから、
自分の心配してよ、、、』
笑いながら「ごめん、ごめん笑」と言うテオくん。
どんなに忙しくなっても私のことを気にしてくれる。
そんなとこが大好き、、、
『私、なんか作ってくるね。』
『待って、あなた。』
私が部屋を出ようとしたとき。
テオくんは私の名前を呼んだ。
『もうちょっとだけ、、、』
『え、、、??』
『もうちょっとだけ、、、ここにいて。』
、、、ずるいよ、テオくん。
そんなこと言われたら断れないじゃん、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!