目を開けるとそこには縄で巻かれ跪いた状態の松陽のがいた
私は驚きのあまり言葉が詰まってしまった
後ろを振り返ると桂と高杉が縄で巻かれ倒れている
でもしっかり意識はあった
松陽はただ下を向いていた
そういうと男は私に刀を投げてきた
松陽からもらった刀で、松陽を斬る、、?
そんな事できる訳、、
私は刀を持つと
武者震いのように刀がカチャカチャと音を立てる
好きな方を選べなんて、、そんなの無理に決まってる、
私が刀を落とし倒れ込んでしまった
すると銀時が横を通った
銀時が自分の刀を抜いた
私は銀時を止めに入ろうとするも奈落達に押さえられた
お願い、、、銀時、、!やめてくれ、、!!
銀時はゆっくり刀を振り上げる
すると松陽が
いつもの優しい顔で答えた
グサッ
銀時は刀を振り下ろし松陽の首を
''斬った''
高杉は奈落達から離れ銀時の所に駆けていく
すると高杉の目に小さな短刀が飛んできた
プチッ
その衝撃で高杉は後ろに倒れた
すると奈落達は松陽の身体を持ちぞろぞろと帰っていく
私は男を呼び止めた
男は一度止まったがまた足を進めた
そして奈落がいなくなると今まで黒い奈落の底のような雲が青に変わっていく
私は高杉や桂の縄を解き
松陽の首を持った
銀時はずっと空を眺めていた
私は高杉や桂の横で松陽の首を抱き抱え
と松陽の声が聞こえた。
勿論これは幻聴だ
だが私には松陽が本当に言ったようにしか思えなかった
私は松陽の首を抱きしめた
いつもなら暖かい松陽の肌や髪も
氷のように冷たくなっていた
すると桂と高杉は私を抱きしめてくれて
私は初めて相手の腕の中で赤子のように泣き喚いた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!