テオ目線
いつもと変わらない出迎え。
え、まさか、、バレた?
え、
俺はこんな日になんて約束をしてしまったんだ…
じんたんの、少女みたいな笑顔。
それを壊さないようにと、元気を装って答える
テーブルにはごちそうがいっぱいだ。
毒を入れるなら、これだろうな。
そう思って座った。
携帯をとると、
あの女からのメール
"彼のスープにアレを入れたわ。
今から二人で食べるところ"
俺も……しなければならないのか…
今、じんたんは飲み物を取りに行っている。
……今しかない……もうやるしかないんだ。
俺はじんたんのスープに毒を入れた。
二人でグラスを持つ
最後の晩餐が始まった。
早く恐ろしいことを終わらせたくてトマトのスープを勢いよく飲んだ。
……その時だった。
え……
じんたんの声が、じんたんの声なのに……
あの女の声に聞こえる
"浮気してるくせに品行方正を求める男"
"腕によりをかけた、最後の晩餐"
"一緒に食べる……毒入りスープ"
あ、家を教えられないはずだ、
女の家はここなんだから。
そして、殺したい男は……俺だ。
じゃあ……このスープは?
やばい、体が思ったように動かない……
そこまで言うと、俺を膝枕するように寝かせた。
謝ろうと声を出してみるが、言葉にならず、涙ばかりが流れていく。
それは、おまえが言い出したじゃないか。
……だめだ。無理。
俺を見るじんたんが悲しい顔をしてるのに
怖い
……俺は落ちるようにねむった。
ただの粉一つまみと、じんたんへの恐怖で
そう、偽薬効果……
それが薬だと思い込むことで治療効果を期待できる………
なんてことがあるんだって
じんたんがそう教えてくれた。
スープを飲みながら、
俺が、あの粉を入れたスープをだ。
_______________
あれから5年。
俺達はリスナーからも応援されるようになった仲のいいカップルだ。
特に俺が夢中でね、じんたんから離れられないんだ。
だってじんたんは……
言葉一つで、俺をどうにでもしてくれるんだから。
❃解説
じんたんは "あの女" だった。以上!
ここまで読んで見返してみるのも面白いかもしれないよ!←誰
byさきいか
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。