第62話

連行
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2021/01/25 18:41
泥試合に終止符を打って気になっていたことを聞く



『結局何であんなにしつこかったの?』

紺炉「若…話は聞きましたがいくら何でも若い女性の後をつけるのはどうかと思いますよ、知り合いだったからよかったものの」

紅丸「一般人が焔ビトの鎮魂をした上に顔も隠して話そうともしねェんだ怪しいだろ」

『たしかにそう言われると怪しいかも…』

紅丸「そういや団子屋で俺のこと見て笑ってなかったか」

『それは紅丸が団子4つも一気に口に入れてほっぺた膨れてたのがリスみたいで可愛くて…ふふっ』

紺炉「いいモンが見れたみてェでよかったな」

『そうだ、団子買ってきてるから酒飲んで愉快王の状態でもう一度やってくれない?絶対さっき以上に可愛いと思うんだ』


想像してみるととても可愛い


紅丸「誰がやるかよ」

『残念…とりあえずヒカヒナも呼んで買ってきた団子食べながらお茶でもしようかなって思ったんだけど、紅丸も来る?さっき団子食べてたからお腹減ってないかもだけど…』

紅丸「茶だけ飲む、だがそういうあなたも団子食ってたよな」

『誰かさんが隣で圧かけてくるもんだからあまり味が楽しめなかったんですけど?』

紺炉「口があるんですから無言で圧をかけないでお面を取ってくれって言えばよかったと思うんですが」

紅丸「悪かったな…」

『そういうわけだから私は団子も食べる』

紅丸「太んぞ」

『お父さん、紅丸がデリカシーのないこと言う』

紺炉「あなたはそれなりに食ってるのに細いままだからな、むしろもっと食った方がいい」

『お父さん大好き』

紅丸「……クソっ」

紺炉「今のは若が悪いです」


とりあえずお茶にすることにしたが紅丸が乱入してきたせいでその後の予定が決まってないことを思い出す


『そうだ…お父さん、一休みしたらデートしよう』

紺炉「でーと?」

『あー…皇国の言葉で異性と出かける事を表したり恋人同士で出かけることを表したりする言葉で…原国式だとなんて言うんだろ?逢い引き…?』

紅丸「は?」

紺炉「俺とあなたがか?」

『父と娘でデートしたってよくないですか?まぁただの家族でのお出かけだけど』

紅丸「紺炉…」

紺炉「へい、誕生日にそれは不憫ですから譲りますよ」


紅丸から圧を感じるし何故か2人でなにか通じ合っちゃってるし理解ができない


紅丸「俺がそのデートとやらに付き合ってやるよ」

『あれぇ?』


手を引かれて強制連行だ


『私の団子は?』

紅丸「食いたきゃ後で買ってやる」

『お父さんとヒカヒナは』

紅丸「3人で茶してりゃいいだろ」

『せめて刀を…お父さーん!私の刀取ってー!』

紺炉「逢い引きに刀持っていくのか…」


そういいつつ渡してくれる


紅丸「逢い引きに刀持っていくやつはお前くらいしかいねェだろうな…」


こちらも何故か引き気味である


『それなら紅丸が腰にさしといてよ』

紅丸「浅草の破壊王を刀掛けに使うのもお前だけだろ…」

『文句は受け付けてねェぞ』


紅丸の真似をする


紅丸「口汚くなってねェか?」

『紅丸のせいでね』

紅丸「嫁の貰い手がいなくなるぞ」

紺炉「うちの娘が口汚いくらいで嫁の貰い手がいなくなるわけねェだろ」

『そうそう、花街の一番人気のお姉さんも落とした私が売れ残るわけないじゃん、好きで誰とも付き合ってないんだから』

紅丸「親バカが災いして口汚くなってる可能性があるがいいのか…」

紺炉「元はと言えば若が汚い言葉を使うからですよ、ヒカゲとヒナタはもっと酷いです」

紅丸「文句は受け付けてねェぞ、まぁいい…刀は持ってやるからとりあえず行くぞ」

『はいはい、お父さん行ってきまーす』

紺炉「おう、楽しんでこい」


紅丸の帯に袋から出した刀をぶっさして詰所を出た

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