第50話

思惑
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2021/01/22 15:10
競技のルール説明が始まる




司会「今年は新設の隊が2つもある…と言っても参加は1つだが、そういう訳で簡単に全員の実力を把握するために…各隊ごとに1人〜4人のチームを組んでこのフィールド内で戦ってもらう、もちろん隊ごとに参加者の数は違うので同じ隊の別チームや違う隊と協力しても構わない」


あたりを見回すとたしかに第8はいない

観客席を見ると桜備大隊長と火縄中隊長の姿があった


(残念だけど無能力者と第2世代能力者の2人じゃ分が悪いしそもそも隊員の数が足りてないから今回は見学って感じか)



〜観客席(第7)〜

紺炉「明らかに1人しか出場者のいない第7を潰しにかかってませんか」

紅丸「そういう事だろうな」


〜観客席(第8)〜

桜備「俺たちも出たかったな」

火縄「大隊長と俺しか居ないんですから…まずは隊員をどうにかしてください」

桜備「すまない…おっ、あの紺色の見慣れない服、あれが俺たちの少し前に新設された浅草の第7かー、観客席にも服装は少し違うがそれらしき人が2人いるな」

火縄「観客席にいるのは若い方が浅草の破壊王と名高い大隊長の新門紅丸でしょう、おそらく隣の顔に傷がある方は中隊長の相模屋紺炉かと」

桜備「あれが…たしかに強そうだな、だが競技参加者の方は1人しか居なくないか?それも16〜18程度にしか見えない少女が1人…」

火縄「第7は原国主義者の集まりと聞きますからこういう行事にはあまり積極的ではないんでしょう、ちなみにあの少女は先程受付で揉めてましたよ」

桜備「何があったんだ?」

火縄「皇国でも原国でも人の命を奪ってる事に変わりないだとか浅草の火消しが強いのは町を守るためだとか言ってました、第7の人間をバケモン呼ばわりされて浅草を貶されてキレたんでしょう、少女も相手の皇国の消防官をクソ犬呼ばわりしてましたが」

桜備「それマズくないか?ルール的にも人数的にも真っ先に格好の的として吊り上げられるんじゃ…」

火縄「でしょうね、それは観客席にいる2人も理解してるはずですが」

桜備「あの2人は知っていて止めなかったのか!?」

火縄「おそらくは…何でもあの少女は第7の中隊長で2人目の煉合能力者、しかも浅草の破壊王に並んで噂されている浅草の破壊神だとか」

桜備「見た目からは想像もつかない物騒な通り名だな…」

火縄「まぁ止められないということは逃げ切れる自信や策が何かがあるんでしょう」

桜備「そうだといいんだが…」





司会「今年は無能力者の参加はない、能力使用に必要な道具の持ち込みの許可が出ているが設置型や巨大で手荷物として持ち運びが出来ないものは不可だ。気絶等、戦闘不能と判断された場合か降参した時点で退場とし最後の1チームとなった時点で終了とする」


新人隊員「1人でも退場になったらそこでそのチームは終わりですか?」

司会「1人でも残っていれば問題ない」


新人隊員「どこまでならやっていいんですか」

司会「治療班もいるが全治30日以下の軽傷までにしろ、どんなに酷くても中等傷までだ。度が過ぎれば止めに入るが、自分の限界を見極めてリタイアするのも実力の内だから無理はしないように」


他に質問は無いようだ


司会「それではチームを作り他の隊に協力を求めるならそういう相談や作戦会議も済ませてフィールドの好きな場所で待機するように、10分後に開始とする。ちなみにフィールド内の遮蔽物等は好きに使って構わない」


一時解散でみんなとりあえず自分の隊のみで集まる


(どうせ第7は私は1人しか居ないし、さっきの奴らはこっちをチラチラ見てるけど全員で原国主義者に痛い目見せて皇国の方が凄いって知らしめてやろうぜって他の隊に声掛けたいんだろうし…お望み通りに先に入ってやろ)


先に入ってフィールド内を探索する


塀などの遮蔽物やらちょっとした倉庫のような建物やら色々と有り、隠れるとこが多い場所もあれば開けた場所もある


(なるほど、自分の能力を理解して自分に合った戦い方をしろってことか…それならやっぱりここだな)



自分のスタート地点を決めた





今回はフィールドが低い遮蔽物の置いてある平地なので全体が見えるようにと隣接する建物の屋上に観客席が設置されている


〜観客席(第7)〜

紺炉「まさかあの場所で始めるつもりか?あんな場所じゃ…」

紅丸「効率がいいじゃねェか」



〜観客席(第8)〜

桜備「あれ、本当に大丈夫なのか?」

火縄「さすがに馬鹿ではないでしょうし意図的に選んだんだと思いますよ」

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