第22話

前日
2,666
2021/01/17 09:37
2月19日


今日は紅丸の誕生日の前日だ


あれから何をあげようか色々悩み本人に色々聞いてみた

好きな物はすき焼きと白米らしい

(それは宴会で出て来るだろうし肉と米は微妙だから却下…)

好きな色は黒と青らしい

(女の子ならキレイな髪留めとかあげられるけど男だとそういうのは意味が無いしあまり参考にならないな…)

そんなこんなで考えを巡らせた結果

お酒にすることにした

(第8と仲良くなった印にお酒持ってきたりしてたし…お酒なら腐るものでも無いから2年後に飲んでねということで渡せばいいでしょ)


そういう訳で今日は午前中に見回りを済ませてそのまま買い物に行く


ここは浅草なのでわりと法律はガバガバで未成年は自分で飲む訳じゃなくても20歳以上の保護者同伴がないのお酒は買えないとかそういうのはない


酒屋でそこそこお高めの日本酒を買って紙袋に入れてもらい詰所に帰る


見られたくないので陽炎を使ってご帰宅だ


部屋に入り、酒屋に行く道中で買った便箋にメッセージを書く

(ついでにヒカヒナと紺炉にも書いておこう)


少々悩みつつも書き終わった
そろそろ夕飯の時間なので手紙はとりあえずお酒と同じ袋に入れて押し入れに仕舞う


部屋を出て夕飯を食べに行く


基本的に紺炉と紅丸とヒカヒナの4人と一緒に夕飯は食べている

(この光景も明日で見納めか)

夕飯を食べ終わりいつも通りヒカヒナと一緒に風呂に入る

今夜はヒカヒナは世話係のところだ


夜中、布団に入るが明日でお別れだと思うと睡眠時間も惜しくて寝付けない

(そうだ…)

起き上がって部屋を出て下におりる

そしてある部屋の扉を開ける

『お父さん』

紺炉の部屋だ

紺炉「どうした?」

『一緒に寝よう』

紺炉「怖い夢でも見たか?」

『そういう訳じゃないけど、まぁそんなとこ』

(あの夢をまた見たら…って不安もあるし嘘ではないよね)

紺炉「しょうがねェな」

紺炉の布団に潜り込むと頭を撫でてくれる

(紺炉さんが本当の父親だったら…)

だったら…?親が死ぬこともなかったかもしれない?

(それは両親に失礼か…)

余計なことを考えてしまう

紺炉「どんな夢だったんだ?」

『たいしたものじゃないよ、もう忘れた』

(これは嘘だ)

紺炉「そうか…なんかあれば俺でも紅でも構わねェから言えよ?」

『うん』

(ここの人たちは優しいな…ずっとここに居られたらいいのに…)

頭を撫でられているせいか段々眠くなってくる

『おやすみ…』

紺炉「ああ、おやすみ」

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