(※紅丸視点)
しばらく転がってると紺炉がやってきた
紺炉「あなたの本名に似た男装用の偽名起きてるか?」
紅丸「………」
紺炉「入るぞ」
黙ってると紺炉が入ってくる
布団に近寄ってくる足音がする
紅丸(動く気にもなれねェ)
紺炉「あなたの本名に似た男装用の偽名…?」
紺炉が気づいたらしい
紺炉「紅…テメェここで何してやがる…まさか酔っ払って何かしたんじゃねェだろうな…」
怒気の混じった声が聞こえる
紅丸「何もしてねェ…あなたの本名に似た男装用の偽名はいねェ…」
紺炉「どういう事だ」
紅丸「机の上の紙袋を見ろ、手紙が入ってる…たぶんお前宛のも同じようなモンだろ」
起き上がって答えるが自分の口からは説明もしたくない
紺炉が手紙を読み始める
しばらくすると読み終わったのか手紙を仕舞った
紺炉「いつ出ていったのか知ってンのか…」
花火のことは書いてないらしい
紅丸「夜に花火が上がったろ…おそらくそん時だ、あの花火はあいつが上げたらしい」
紺炉「そっちには書いてあったのか」
紅丸「ああ、最後の挨拶だとよ」
紺炉「今すぐ探せば…」
紅丸「無駄だ、さっき俺が探してきたがどこにもいねェ…寝るつってからすぐに出ていったならもう浅草の近くにはいねェだろ」
紺炉「俺たちが気付いてやれれば…」
紅丸「行き先も何もわかんねェんだ、俺が酒を飲めるようになる頃には帰るつもりはあるらしいから待つしかねェよ……クソ…」
後でヒカヒナにも手紙を渡してやったら泣いていた
紺炉への手紙も見たが簡単にまとめると
親不孝な息子でごめんなさい、いつか帰ってきたときに説教は聞きます
って感じだ
ヒカヒナには
自分のいない間は俺と紺炉の言うことをちゃんと聞くように、あまり汚い言葉を使わないように
それだけだった
神様の出ていった浅草はどこか暗かった
(※主人公視点)
昨夜に浅草を出てからネザーを回ってとりあえず追加で1つ拠点を潰した
まだ休めていないのでクタクタだ
(もう朝か…そろそろ紅丸か紺炉さんが気付いてる頃かな)
既に浅草が懐かしいしあの騒がしさが恋しい
(怒ってるかな、それとも悲しんでるかな…ヒカヒナは泣いちゃうかな…申し訳ないけど、それだけ思ってもらえる存在に慣れてたならいいな)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。