第29話

有効活用
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2021/01/18 15:44
これからどうするか考える


日頃から気を張って固い地面で寝ていればそれだけで消耗して体力が落ちるからそれは避けたい

と言ってもじけいだんのしごとで貰った給料は持ってきたが手持ちは多くない

(バイト出来るような歳でもないしそんな時間は無いし…)


何か稼げる方法は無いか思考を巡らす


(そういえば火華さんは灰島に焔ビトの情報とかを売って資金と後ろ盾を得て大隊長になったんだっけ…)


だからと言って罪のない元一般市民の焔ビトを鎮魂せずにずっと苦しませて更には実験材料として売るなんてことは出来ない


(罪のない一般市民じゃなきゃいいのでは?)


刑務所なんかに張り込んで囚人が焔ビト化するのを待ってそれをバレずに連れ出すなんて言うのはほぼ不可能だ

だが私の周りには待ってるだけで向こうからやってくる丁度いい犯罪者の軍団がいる


(白装束のやつらって追い詰められると自分で蟲使うこともあるし、そんなにアドラに近付きたいなら好きに焔ビト化してもらって構わないし大好きな炎に包まれて幸せだろうから鎮魂してやる必要も無いし何なら私が蟲を植え付けてやったっていいんじゃない?)


善は急げということで次の拠点を探す

基本的に拠点には蟲が置いてあるから丁度いい



日も沈みかかった頃、ようやっと見つけた


(紺炉さん、ごめんなさい…あなたの娘はこれから人道に反したことをします…)

白装束を殺すこと等に全くもって罪悪感等はないが自分が悪いことをすれば怒るか悲しむかもしれない人に対する罪悪感は湧く


陽炎で奥まで入り込んで蟲の入った瓶を回収する

そして白装束の前で陽炎を解く


白装束「何者だ!」

『9柱目だよ』

白装束「何だと!?」
白装束「あの顔はたしかに9柱目だ」
白装束「ついに伝導者の元へ来る気になったか」

『そういう訳じゃなくて、これ』

蟲の入った小瓶を出す

『どうする?今から私はあなた達を殺すつもりなんだけど…それを使って最後の足掻きをするかこのまま燃やされるか』

白装束「何だと…」

『その蟲を使えばアドラバーストに適合する可能性か鬼になれる可能性が僅かな確率だけど存在する訳だし、アドラバーストと伝導者を崇めてる癖に虫を使うのは一般市民だけなわけ?自分で使いなよ』

白装束「我々の役目は伝導者の教えを説くことだ、蟲はいらん」

『わかった、じゃあまずは1人ね』

限界まで温度を上げた鎖を出して白装束の1人に巻き付ける

炎への耐性が低いのかそのまま燃え上がって消えた

『ね?炎の耐性が低い人じゃ無理でしょ?はい、返してあげるから蟲使おうよ』

蟲の入った小瓶を投げ渡す

残り3人の内の1人でも使ってくれればいいだろう

白装束「柱だからと言って傷つけないとは思うなよ!」
白装束「距離を詰めれば鎖は無力化できる!」
白装束「多少傷つけてでも拘束しろ!」


(やっぱりそうなるか…)

3人で一度に襲いかかってくる

特に武器は見当たらないから鎖にさえ注意すればいけると思ったらしい

身体強化を使い、刀は無いが紺炉に教えてもらった居合の姿勢で構える

プラズマで刀を作り出し、3人中2人を切り最後の一人は残して距離をとる

(やっぱりよく切れるな…)

死体は見たくないので即燃やす

『それで、使うの?使わないの?』

白装束「クソッ…鬼が出て後悔しても遅いぞ!」

白装束が蟲を取り込む

正直こんな所で鬼が出ても困るのでギャンブルだがここまで弱いモブが鬼になることは無いだろう


予想通り、ただの焔ビトになる

今度は鎖の威力を下げて動けないようにグルグルに巻き付けて捕獲する

押さえつけ、火力を調節する

素直に付いてきてはくれなさそうなので炎操作で鎖を浮かせて風船のように浮かせて運ぶ


行き先は決まっている


灰島だ

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