第16話

双子
3,071
2021/01/15 17:05
紺炉に案内され脱衣場の前までやってきた


紺炉「ここだ、それじゃあ俺たちは飯食ってくるが帰りは迷わずに戻れるか?」

『大丈夫です』

紅丸「逆上せンなよ」

『気をつけます…』

紺炉と紅丸が去っていき私も脱衣場に入る

念のために浴室のドアを開けて中も確認するが紺炉の言った通り誰もいない

服を脱いでカゴに入れ、シャンプーなど必要なものと念のために手ぬぐいも持って浴室に入る

体を洗い湯船に使ってると何やら脱衣場から声が聞こえてくる

発火能力で湯船の水を蒸発させて蒸気で視界を悪くする

(子供の声…?さすがにこのまま出ていく訳にもいかないし…)

出口は1つしか無いので湯船に浸かったまま様子を伺ってると浴室のドアが開いた

「「うひぇひェひェ」」
「一番乗りだぜ!」
「一番風呂は最高だな!」

(ヒカヒナ?)

「ん?よく見たら人がいンじゃねェか!」
「だれだてめェ!」

ヒカヒナが湯船に飛び込んで私の両サイドにくる

ヒカゲ「若よりキレイな顔してるぜ!」
ヒナタ「女だ!」
ヒカゲ「紺炉が連れ込んだのか?」
ヒナタ「若かもしれねェぞ!」
ヒカヒナ「それでてめェは誰なんだ?」

『訳あって最近ここでお世話になってる相模屋あなたの本名に似た男装用の偽名です…』

ヒカゲ「相模屋?やっぱり紺炉の女じゃねェか!」
ヒナタ「でもよく見たらこいつ若よりガキだぜ!」
ヒカゲ「じゃあ紺炉の子供か?」
ヒナタ「ありえるぜ!」

『親戚です…』

紺炉「ヒカゲ!ヒナタ!どこだ!」

ヒカヒナを呼ぶ紺炉の声が聞こえる

ヒカヒナ「紺炉にバレた!」

『やばっ…ヒカゲちゃん、ヒナタちゃん、私が女だって言うのは紅丸さんにも紺炉さんにも内緒にしてくれる?』

ヒカゲ「ヒカゲちゃんじゃねェ、ヒカゲだ!何でヒナがお前の言うこと聞くんだよ」
ヒナタ「ヒナタちゃんじゃねェ、ヒナタだ!ヒカにメリットはねェだろ!」

『うんうんヒカゲにヒナタね、皇国のお菓子あげるから』

ヒカヒナ「しょうがねェな!」


紺炉「ヒカゲ!ヒナタ!危ねェからガキだけで風呂に入んなって言ってんだろ!」

脱衣場から紺炉の声が聞こえてきた

『とりあえずヒカゲ、ヒナタ、紺炉さんは私がどうにかするから私の膝に座って隠してもらえる?』

ヒカヒナ「まかせろ!」


ガラガラ

ヒカヒナが私の膝に座ると同時に浴室のドアが開いて紺炉が入ってくる

ヒカヒナ「うひぇひェひェ」

紺炉「まったくお前らはいつも…って後ろにいんのはあなたの本名に似た男装用の偽名か?」

『はい…』

紺炉「そういえばお前が入ってたんだな、そいつらもうちで面倒見てる双子でヒカゲとヒナタっていうんだが…世話係が目を離した隙にな…すまねェ何か迷惑かけたりしてねェか?」

ヒカヒナ「余計なお世話だ、紺炉」

『弟の面倒を見ていたので慣れてますから大丈夫です、ヒカゲとヒナタは自分が責任持って風呂から出るまで見ておくんで気にしないでください』

ヒカヒナ「そうだぞ!」

紺炉「すまねェな…それじゃあ頼む」

ヒカヒナ「じゃあな紺炉!」

紺炉が出ていく

『ありがとう』

ヒカヒナ「お菓子忘れんじゃねェぞ」

『2階の私の部屋にあるからお風呂出たら行こうか、そうだヒカとヒナって呼んでも良い?』

ヒカヒナ「わーい、いいぞ!」

『じゃあとりあえず体と頭洗おうか』

ヒカヒナ「おう!」


ヒカヒナの頭を洗ってあげてもう一度湯船に使ってから風呂から出た

自分の体を拭いてとりあえず下着だけ来てからヒカヒナの頭を拭いてあげる

『はい、服は一人で着れる?』

ヒカヒナ「うん!」

自分の髪も拭いてから胸に包帯を巻き始める

紅丸「おい、入んぞ」

『うげっ…ヒカ、ヒナ、紅丸さんのこと止めといて!』

ヒカヒナ「お菓子オマケしろよ!」

ヒカヒナが脱衣場で紅丸を止めてる間に浴室でサラシを巻いて服を着ることにした

紅丸「あなたの本名に似た男装用の偽名と風呂にはいってたんじゃねェのか?」

ヒカゲ「あなたの本名に似た男装用の偽名ならいねェぞ」
ヒナタ「あなたの本名に似た男装用の偽名は忘れ物取りに行った」

紅丸「そうか、俺も風呂に入るからお前らは紺炉のとこに行け」

ヒカゲ「紺炉じゃなくてあなたの本名に似た男装用の偽名の部屋に行くんだ」
ヒナタ「若が連れて行け」
ヒカヒナ「うひぇひェひェ」

紅丸「駄々こねるんじゃねェ…」

サラシを巻き終わって着替えて風呂場から出るとヒカヒナと上裸の紅丸がいた

紅丸「なんだいるじゃねェかよ」

『風呂場に忘れ物をしまして…』

(中々な筋肉…やば…って変態じゃないんだから早く出なきゃ)

ヒカヒナ「あなたの本名に似た男装用の偽名、行くぞ」

『うん、ありがとう、それじゃあ部屋に行こうか、紅丸さんお先に失礼します…』

ヒカヒナと手を繋いで脱衣場を出て部屋に戻ろうとすると廊下に紺炉がいた

紺炉「出たか、ヒカゲ、ヒナタ…迷惑かけてねェか?」

ヒカヒナ「かけてねェ!」

『いい子にしてくれてましたから大丈夫ですよ、これから一緒に部屋に行こうと思って』

紺炉「そうか、それなら昼飯はヒカゲとヒナタの分もお前の部屋に持っていくか」

『手伝います』

ヒカヒナ「お菓子も忘れんなよ!」

『ちゃんと覚えてるよ』


厨房で昼食を受け取って部屋に行く

ヒカヒナ「お菓子!」

『はいどうぞ、でも食べるのはご飯を食べ終わってからな…?紺炉さんもどうぞ』

ヒカヒナ「紺炉だけずりぃぞ」

『紺炉さんは昼ごはん食べ終わってるからいいんだよ、だからヒカもヒナも早くご飯食べちゃおう』

ヒカヒナ「仕方ねェな…」

『よしよし、ヒカもヒナもいい子だね』

象にしてたように頭を撫でる

ヒカヒナ「うひぇひェひェ」

『いただきます』

ヒカヒナ「いただきまーす」

紺炉「すっかり懐かれてるな」

『そうなんですかね…?』

紺炉「ああ、こいつらは俺が紅の言うことしか聞かねェからな」

(なんかよくわからないが双子に懐かれてしまったようだ)


この日はもう稽古も終わっていたので残りの時間はヒカヒナと遊ぶことにして夜はそのままヒカヒナと一緒に寝た


この日から稽古後や夕飯の時にヒカヒナが私の部屋に来るようになり、ヒカヒナの風呂は私の担当になった

ヒカヒナ「あなたの本名に似た男装用の偽名と3人で入る、文句なら受け付けねェぞ!」

という一声で決まった


(よかった…これで私の安全な入浴時間が確保された…)

プリ小説オーディオドラマ