第93話

破壊王
2,038
2021/02/07 03:00
発火能力で飛び、上空から焔ビトと紅丸の居場所を確認する


見える範囲だけで6体は焔ビトがいる

炎で複数の武器を作り出し、全ての焔ビトのコア目掛けて撃ち込む


そうして上空を移動しながら鎮魂と紅丸の捜索を続けているとだいぶ焔ビトが減ってきたところで紅丸を発見した


町民「紅ちゃん、あっちにも焔ビトだ!」

紅丸「わかった!」


紅丸の向かう先に焔ビトが居ることを確認し、紅丸の到着前に近くの焔ビトをまとめて鎮魂して降下する


紅丸「あなた!」

隊員「お嬢!焔ビトが多すぎて…!」

『追加で出現しないとは言い切れないけど詰所からここまでの全ての焔ビトは鎮魂したから隊員は消火と避難誘導を優先して、焔ビトの鎮魂は無理にしなくていい』

隊員「ですが鎮魂しないと…」

『花火を上げてくれれば私が上空から確認して遠距離からでも鎮魂できるから』

隊員「町中に輪を乱す奴がいて避難誘導も上手くいかねェんですが、それはどうすれば…」

『それもどうにかするから、それまでは炎や瓦礫のせいで立ち往生したり自力では逃げられない人の救助を最優先にして』

隊員「わかりやした!」


隊員が走り去っていく


紅丸「町民の喧嘩はさっきの第7の大隊長の偽物みてェなもんのせいか?」

『うん、本物と偽物が入り乱れちゃってて…だからと言って元凶の顔を帰ることが出来る第3世代能力者を倒したところで元に戻る可能性は低いから焔ビトの鎮魂や第8を…とくにシンラを狙ってる白装束を倒すしかないと思う』

紅丸「このまま焔ビトの鎮魂を続けるのか?」

『とりあえず一緒に櫓に行こう』

紅丸「わかった」


紅丸が纏に乗り、私は発火能力で飛んで紺炉が待つ櫓へ向かう


櫓に到着すると紺炉と桜備と火縄が辺りを見回していた、早く到着したのでまだ鬼は出現していない


紅丸「紺炉!!」

『連れてきたよ!』

紺炉「捜したんですぜ!町が混乱して収拾がつかねェ!」

紅丸「ああ!俺もだ!焔ビトはあなたのおかげでそこそこ片付いたが喧嘩は増える一方だ!!」


紅丸と共に櫓に降りる


紅丸「そこら中で勘違いしてて何がなんだかわかりゃしねェ」

紺炉「さっきヒカゲの偽物も見やした、そこら中に偽物がいて先程の若と第8のようになってるんでしょう」

紅丸「それを早く町の連中に教えてやれ!!あいつらはいま混乱の真っ只中だ、紺炉かあなたでもねェと聞く耳持たねェ!!」

紺炉「それは俺の役目ではないですよ…」

『私の役目でもないよ』

紺炉「今の浅草を見てください、大混乱だ…みんな待ってんだよ…この混乱をまとめられるでっけェ男をよ!!」

紅丸「ああ!!だからここに来たんだ、混乱してるからこそ紺炉やあなたのような冷静な判断ができる奴の言葉が必要なんだよ!!」

紺炉「若…まだそんなこと言ってんのか…」

『私はそういうのは柄じゃないって…』

紅丸「あなたはさっきだって焔ビトを鎮魂しながら隊員に的確な指示を出せてたろ」

『それは第7の隊員に限るよ』


櫓の下から私たちを呼ぶ声が聞こえてきた


町民「紺ちゃん!!助けてくれよ!!あなたちゃんが焔ビトは片付けてくれたがみんな喧嘩して何もかもめちゃくちゃでにっちもさっちもいかねェ!!」

紅丸「見てみろ、紺炉を待ってんだよ!」

町民「紅ちゃんとお嬢はどこ行っちまったんだ!!片方でもいいから早く連れてきてくれ!!」

紺炉「いつまでも俺に遠慮なんてするな、いい加減覚悟決めろや」

『私は無理』

紅丸「あ?お前も必要とされてんだろ」

『私はシンラの援護に向かわなきゃいけないし焔ビト発見の合図が上がり次第そこにも行かなきゃいけないからこれで…』

紅丸「逃げんじゃねェよ」

『はぁ…人を引っ張るのは神様じゃなくて王様の役目でしょ、私はこの町を守るのが役目であってまとめるのは紅丸の役目だよ?神様を過労死させる気?』

紅丸「クソッ…」

『それじゃ私は行くから、早くしないと紅丸の喧嘩相手は私が壊しちゃうからね』

紅丸『どういうことだ…?』


紅丸の問いを無視して発火能力で櫓から飛び出す


紺炉「神様は気まぐれだから仕方ねェよ…それに誰がなんと言おうと浅草は若の町だ、誰の言葉でもない…みんな紅の言葉が聞きてェんだよ」

桜備「この状況を壊せるのはあなたしかいませんよ、浅草の破壊王…」


私が去り、紺炉と桜備の最後のひと押しで紅丸がやるしかないとなったのか他の人を櫓から降ろして柵に足をかけて身を乗り出すのが視界に入った


上空からシンラとアーサーの位置を捜し、見つけた瞬間にボン!という大きな音と共に紅丸の乗っている櫓の上部がそらに浮くのが見えた


(ラピ〇タも夢じゃないな…)

プリ小説オーディオドラマ