第88話

修復作業
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2021/02/06 15:00
勘太郎の鎮魂で壊れた町の修復作業が始まった


弔いとして隊員が太鼓を鳴らし発火能力で花火を上げる



桜備「まるで祭りだな」

火縄「原国式の告別式ともまた違ったここでの特別な弔い方でしょうか」


隊員が詰所前に戻ってきたので大福はひとまず置いといて詰所から出る


紅丸「トビ共は修理を始めろ!」

隊員「「「オォ!!」」」

紅丸「勘太郎の弔いで家が壊れちまった奴は詰所に泊まってけ!修復作業が終わるまで俺たちが面倒見てやる!」


町民「紅ちゃん今度は私の家壊して〜ん♡私も紅ちゃんと一緒に暮らしたいわァ〜♡」


変質者が1名混ざっている


紅丸「あいつの家はぜってェ壊れねェように補強しとけ…」

隊員「へい!!」

『紅丸の隣の部屋は譲らねェぞおい』

紅丸「どこで張り合ってんだよ」

『私の部屋は特等席です』

町民「いや〜ん♡あなたちゃんもいいわァ♡」

『お"ぇ"…』

紅丸「お前でもアレは駄目なんだな」

『無理…私も修復作業手伝ってくる…』

紅丸「資材の切り出しはすんなよ」

『運搬と溶接だけにするから』


そう、破壊神などという不名誉な呼び名の原因の1割ほどは修復作業が苦手なせいでもあるのだ


手伝いの必要そうな場所に向かい作業を進めていると第8の隊員が第7に混ざって作業をしているのが目に入る

とりあえず重量物の運搬が必要な現場に向かう

女友達が欲しかったのだ


隊員「こいつは重くて動かせねェな」

マキ「ふんがー!!!」


マキが気合いを入れて持ち上げると隊員が歓声を上げる


『凄いですね』

マキ「あなたの名字中隊長!」

隊員「お嬢も凄い力なんスよ!」

マキ「その細さで?」

『見てみます?』

マキ「気になる…」


身体強化を使って先程マキが持ち上げた鉄製のタンクを片手で持ち上げた


『これどこ置く?』

隊員「こっちにお願いしやす!」

マキ「えぇ…!?」


歩きながら話す


『第1のバーンズ大隊長の能力知ってます?』

マキ「熱エネルギーで身体能力を上げるってやつですよね?」

『だいたいそんな感じです、あれと違ってエネルギーを蓄積して使用時間が長くなるほど強くなるってわけじゃなくて瞬時に1%〜100%まで自由に出力を調整して出せるんです』

マキ「なるほど」

『私のは発火能力ですけど…力持ち同士お友達になりません?』

マキ「いいんですか?」

『私は好きですよ、第8…実質的には今日が初対面の私が言うのも変かもしれませんが』

マキ「なりましょう!お友達!」

『じゃあ改めて…あなたの名字あなた、 第7の中隊長です』

マキ「茉希尾瀬…原国式で言うなら尾瀬茉希です、第8の一等消防官です、よろしくお願いします!」

『よろしくね、第7はあの双子以外は野郎ばかりでむさくるしくて』

マキ「大変そうですね」

『日常生活は問題ないけど女友達が欲しかったんだ、双子とは友達っていうより姉妹って感じだから』

マキ「今度一緒にお買い物行きませんか?今日はタマキやお留守番のシスターも一緒に」

『でもこの前の大隊長会議でイライラして司祭と皇王に突っかかったしよく思われてないかも…』

マキ「きっと大丈夫ですよ、第8は気にしませんから」

『たまに第8に手伝いに行ったりしてもいいかな』

マキ「後で桜備大隊長に聞いてみましょう!」




マキと話をしながら作業を進めていき、夕方になって作業終了の鐘が鳴ったので詰所に戻ってきた


第8と別れて紺炉の部屋に行くと紅丸が紺炉の包帯を変えるところだった


『ただいま、私がやろうか?』

紺炉「おかえり、大丈夫だ」

紅丸「疲れてるだろ、俺がやる」

『そっか』

紺炉「わざわざ若がやらなくても…」

紅丸「俺にもこんくらいやらせろ」

紺炉「わざわざすんません…」

『そうだ、第8には協力する気になった?』

紺炉「第8の連中は気持ちのいい奴らだ…他の消防隊とは毛色が違って俺たち第7と近い、若も気に入ったでしょう?」

紅丸「まあな…紺炉が大隊長なら協力するか?」

紺炉「大隊長は若です、第8の連中が協力してくれたのも若に…」

紅丸「わかってる、ただ向いてねェんだよ俺は…人の上に立つのはよ…」

『紅丸は人の上に立つの向いてるから大丈夫だよ』

紅丸「なんならお前の方が向いてんだろ」

『人を従えるのは神様じゃなくて王様でしょ』

紺炉「そういうことですよ、若」

紅丸「ったく…協力はする、第8の連中は嫌いじゃねェ」

『ありがとう』


私一人でも協力するつもりだったがその事で溝が出来るのは避けたかったので2人とも協力する気になってくれたのは嬉しい


紺炉「そういや抑制剤も少なくなってきたな、灰島に発注しとかねェと…」

『ごめんね、お父さんが紅月を打つ前に鬼を倒していればこうはならなかったのに…』

紅丸「あの時に俺が庇われていなけりゃ…」

紺炉「2人とも気にすんな、あなたが止めてくれたからこの程度で済んだんだ、発火能力は使えなくなったがそれだけだ」

『絶対治すから』



???「治せるよ」


そんな声と共に意識が引き込まれたと思ったら目の前にもう1人の私がいた

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