月曜日。
いつもと変わらない朝。
段々と肌寒なって
秋から冬へと季節が移り変わろうとする11月。
朝の情報番組を観ながら
会社に行く準備をする。
コーヒー飲んで、トースト食べて
メイクして、髪を軽くセットする。
…見た目も冷めてるもんなー。
莉犬くんの言葉を思い出した。
見た目も、って。
中身も冷めたような言い方だよね。
そんな風に見えちゃうのかな。
実際、振られたことまだ引きずってるし。
そんなさっぱりはしてないんだけど。
あの時、やだ別れたくない。
って引き止めてたら何か変わってたかな。
…って考えるのやめよう。
私は振られたんだし。
今更どうこう出来ることじゃない。
朝からなんか憂鬱。
莉犬くんのせいだから。
今日のランチ奢って貰おう。←
会社に着くと仲の良い同期のユカが
私のデスクに駆け寄って来た。
ユカの目が赤い。
ん?これは、彼氏と喧嘩でもしたのかな?
あぁ、莉犬くんに奢って貰うはずだったのに。
パッと明るくなるユカの顔を見たら
何も言えなくなった。
そして私の気も知らず呑気に
フロアに入って来る莉犬くん。
あんたのせいで朝からテンションガタ落ち。
って勝手な言いがかりだけど。
平然と仕事に取り掛かる
莉犬くんを見てたら
どうでもよく思えてきた。
私も前に進まなきゃ。
恋がダメなら仕事だ。
仕事で頑張るしかない。
隣にいるこいつ(莉犬くん)には
負けたくないし。
パソコン立ち上げ業務に取り掛かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。