夏油:やぁ、、久しぶりだね、愛騎。
愛騎:夏油傑、、、、!!!
数時間前。
このときは、ただ、、「文化祭」を楽しんでいただけだった。
愛騎:うわぁ、、規模が小さくなったって言っても、雄英の文化祭はすごいね、、!
麗日:ねーっ!ライブも成功したし、後は楽しむだけだーっ!!
響香:愛騎が中学生だったときは、すごい男子に誘われてたんじゃない?
愛騎:まぁね、、!
響香:、、、ホント、割と愛騎の本性知ったの最初の方だったはずなのにやっぱり驚く、、
愛騎:、、、そこはさ、多分兄に似たんだと思うよ。
麗日:え?
愛騎:私の前ではそんなことしなかったけどね。傑さ、、いや、夏油傑の前ではこんな感じだったよ。もう自分が強いことも、容姿が整ってることも自覚してたから。私は影で見てただけだけど、、記憶喪失したら急に、マネするようになっちゃった。やっぱ兄妹だったからかな?
響香:そ、、そうだよ!!
麗日:うん!
響香・麗日(『兄妹だった』か、、)
この後、まさかの轟くんに誘われ、一緒に回ることになった。
中学生の頃はまぁ、自分のイメージを崩さないように仕方がなく回っていたよく知らない相手が、
今は私のよく知る、友達と一緒に回っているんだ。
こういうのを、「幸せ」って言うのかな、、
過去の自分じゃできなかったことだなぁ、、と、家出して記憶喪失した自分に少しだけ感謝する。
焦凍:守宮、楽しいか?
愛騎:楽しいよ!!
何を言ってるんだ轟くん。
これのどこが楽しくないって言うんだ。
この時間が、ずっと続けば良い。
、、、、、、って、思ってたのに。
愛騎:なんでまた私の前に現れるの、、、?!
夏油:あぁあぁ。こんな夜遅くに、寮の前で、そんな大声出しちゃいけないだろう。クラスメイトが起きちゃうんじゃないかい?
愛騎:じゃあ帰って、、、!
夏油:それはできないな。
どんどんと近づいてくる夏油傑。
私の知っていた夏油傑はこんな人じゃなかったはずなのに。
夏油傑は、、傑さんは、私の唯一の味方だった人だった。
兄は私を見捨てたけど、傑さんだけは違った。
傑さんだけが私と向き合って、モノじゃなくて、、人間として対等に扱ってくれた。、、のに。
今はものすごい拒否反応が私を包んでいる。
私が思い出している記憶は家族内のことだけ。
実は記憶喪失する直前は思い出せていないし、
時々勝手に口が動くけれど、『領域展開』についても、『呪力』についても、分からない。
この人が何か私にしたんだ、、
だから私の体が無意識に強ばるんだ。
夏油:君は可哀想な人だよ本当に、、、!私を楽しませてくれる数少ない1人だよ。さぁ、、行こうか。
またか。
また私は、、この人に簡単に、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!