八百万：何かありましたか？

麗日：ううん、、元々愛騎ちゃん、物少ないし、、これといって気になるものもないなぁ、、

ミッドナイト：大切なものは閉まっておくものよ。それと、、思い出したくないものもね。

響香：っ、、愛騎、五条さんと、、自分の兄と会ってたとき、すっごい辛そうだった、、『大嫌い』だって、、言ってた、、

蛙水：、、、愛騎ちゃんが記憶喪失して初めて目が覚めたとき、『必要最低限のものしか持ってなかった』と言っていたわ。だからこの部屋にも物が少ないのだと思うの。でも、物が少ないからこそ目覚めたときのものは全部持ってきていると思うわ。数少ない手持ちだもの。しかも、記憶喪失してるんだから、嫌な思い出を思い起こさせる物があったとしても分からないと思うの。

ミッドナイト：確かにそうね、、

三奈：じゃあ、どこかにその持ち物があるのかな？きっと中身は出しちゃったんだろうけど、家出するつもりだったんだから、バッグ？とかリュックとかあったんじゃないかな！

葉隠：あ、なんかさっき、すっごい大きいバッグあったよ？なんか旅行用みたいな！私、寮に荷物持ってくるために買ったものだと思ってたからスルーしちゃったけど、、もしかしたらそれかも！

ミッドナイト：見てみましょうか。

葉隠：あ、、これこれ！

八百万：中身は、、空？でしょうか、、

麗日：でも持つとカサカサ音するよ？

響香：あっ、、これ！えっと、、なんか電話番号入ってるんだけど、、愛騎の携帯電話？

八百万：いいえ、愛騎さんは携帯はお持ちになっていませんわ。

ミッドナイト：じゃあ、、誰かしら、、

葉隠：あーっもしかして！！

三奈：な、何？！なんか閃いた？！

葉隠：ふっふっふっ〜名探偵透の推理によりますとね、このバッグは愛騎ちゃんのじゃないんですよ。

響香：愛騎のじゃない？

蛙水：どういうことかしら。

葉隠：これは愛騎ちゃんのお兄さんので、、ほら、これ、男物のでしょ？愛騎ちゃん明るめな色の物多いから、尚更だし、、

八百万：確かにそうですわね、、

葉隠：、、、愛騎ちゃん、ずっと家族にお兄さんと比べられてきたって言ってたでしょ？もしかしたら、好きなもの買ってもらったりしてもらえなかったのかもしれない、、でも家出をするには着替えとかなんやら持ってくものがあるでしょ？だから、お兄さんの使ったんだよ！

ミッドナイト：確かに、、守宮さんの境遇を考えるとあり得る話ね、、

葉隠：そう！そんで、この番号はそのお兄さんのやつ！元々これがお兄さんのだとしたら、自分が無くしたときこれに電話かけて下さいって分かるじゃん？

三奈：確かにーっ！！葉隠冴えてるっ！！

葉隠：でしょーっ！

ミッドナイト：そうね。じゃあこの電話番号に後でかけてみるわ。