第50話

五十話
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2021/06/07 20:00
緑谷:えっ、、

愛騎:気付いたら路地裏にいて、、そのとき私は、必要最低限のものしか持ってなかった。しばらく近くの住宅街を歩いてたら、、あるマンションの管理人さんに話しかけられたの。午前中でさ、中学生の私が何をやってるのか気になったんだろうね。、、私の事情を話したら、マンションの一室をタダで貸してくれるってなって。だから学校には行きなさいって言われて、近くの中学校に入ったの。

焦凍:そう、、だったのか、、

五条:家出した理由は僕らに、、五条家にあると思ってる。でも、どれだけ僕が心配したか、、、!

愛騎:「お兄様」。

五条:っ、、

愛騎:今更兄のフリなんてしないで下さい。ずっとずっと見て見ぬふりだったでしょう?私のことを見捨てたくせに、、

五条:っ、、愛騎、僕はそういうつもりでそんなことしたんじゃなくて、言い訳だけど、

愛騎:言い訳は聞きたくないです!!お兄様にだって分かってたはずでしょう?!何が「最強」かは思い出せていないけれど、ずっと私はお兄様の練習に付き合わされて、痛い思いをしてきました。お兄様はずっと何も言わずお父様の言うことを聞いていただけじゃないですか!!!!
焦凍side

守宮の悲痛な叫びが心に響く。

何故か敬語の守宮。

今日だけでどれだけ驚いているだろうか。

守宮が記憶喪失していたこと。

守宮に兄がいたこと。

守宮の兄は守宮を見て見ぬふりをしていたこと。

守宮が、、ずっと辛い思いをしてきたこと。

記憶喪失だったからあんなに明るかったのかと思うと、今までの守宮は嘘だったのかと思えてくる。

この様子から見ると、、守宮は俺の知る守宮より大人しく、従順な女に見える。

記憶喪失しただけでここまで変わるものなのか。
愛騎:私は、、ずっとお兄様が羨ましかったです。

五条:っ、、

愛騎:お兄様はなんでもできたから。私はいつも比べられてきました。そりゃぁ、お兄様と比べたら私が優っているものなんてありません。でも、、

五条:でも、、、?

愛騎:私はずっと、お兄様が羨ましかったのと同時に、お兄様のことが大嫌いです。私の苦しみに耐えているところを何も言わず傍観されていたと思うと、、、憎くて仕方がありません。

五条:っ、、

八百万:愛騎さん、

愛騎:もう来ないで下さい。私が家出した理由は自由になりたかったから、、傑さん、、いえ、夏油傑のおかげで思い出すことができました。『もう私は、お兄様に囚われたくない、、新しい自分になって暮らしていきたい』。

爆豪:おま、それって、、(あの夏油とかいうやつが言ってた、、)

愛騎:私が中学2年生のときに夏油傑に言った言葉です。この気持ちは変わっていません。、、、さようなら、お兄様。いえ、、五条さん。私の名前は「守宮」愛騎です。

五条:、、、愛騎っ、、ごめ、謝るから、、ちゃんと理由があって、

八百万:五条さん!!愛騎さんを運んでくれたことに感謝致します!!ですが今まで話を聞いたところによると、少なからず五条さんが愛騎さんを傷付けていたことは間違いありませんね。

麗日:愛騎ちゃんのこと自由にしてやって!

響香:あんたに愛騎のこと縛る権利ないよ。

五条:っ、、分かった。じゃあね、愛騎。
愛騎side

もう一生会わないでしょう、、いえ、一生会いたくありません。

さようなら、、私のたった1人のお兄様。

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