第52話

五十二話
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2021/06/10 12:00
『寮』

麗日:お風呂、気持ちよかったねぇ〜!

愛騎:うん、、中学生のときから1人暮らしだったから、周りに人がいてすごい安心した!(、、、別に、家族がいたら安心してたわけじゃないけど、、)

麗日:私も高校生になって1人暮らしだったから、ワイワイできて嬉しい!

愛騎:ね!

焦凍:お。

愛騎:あ。

麗日:!!私、ちょっと用事思い出した!愛騎ちゃんは「ゆっくり」!!お話しててね!!

愛騎:ちょ、お茶子ちゃん、、、!もう、、
私の目の前にいる男、、、正しく轟くんは、私の身体をジーッと見つめてきた。

少しすると急に赤面して、言った。
焦凍:、、、風邪ひくぞ。なんか羽織れよ。

愛騎:えっ、、あ、ありがと、、
私に自分の着ていたパーカーを渡し、そそくさと私の前からいなくなった。

私はジッとそのパーカーを見る。

、、、轟くんの、服、、、か。

ま、まぁ、、轟くんの優しさだし。

こんなこと、、「あのとき」は絶対にされなかったし。

素直に、嬉しい、、、

最近、なんで私が中学2年生の記憶喪失をした後、男遊びまがいなことをしていたのか分かった気がする。

あのときも思ってた、「好かれたい」「愛されたい」という気持ち。

その気持ちの裏には、それまでの自分が誰からも好かれず愛されず、

ずっと「もの」として扱われてきたことが本当に辛かったからだと思う。

ここにいる人たちは女子も男子も皆優しい。

爆豪くんだって何気に心配してくれていたし、仲間思いなんだと思う。

理由はどうであれ、、ここにきて良かった。

私の「家出」は成功してるんだ。

私は轟くんのパーカーを着て、今日はそのまま寝た。
『翌日』

愛騎:轟くん、昨日パーカーありがとね!返しに来たんだけど、、

焦凍:おぅ、

ガチャッ

愛騎:えっ、、

焦凍:ん?
『色 っ ぽ い』
愛騎:あっ、、ぅ、、は、はい、これ!!!ちゃんと洗ってるから!!多分綺麗だから!!!じゃあね!!!

焦凍:お、おぅ、、、?
まさかお風呂上がりだったとは、、、

あーもう恥ずかしいッッ
麗日:愛騎ちゃんどうしたん?!

愛騎:へ?!な、なんでもな、、

響香:女子棟から見えたけど、昨日の轟のパーカー返してたよね。そんで、、お風呂上がりだったんでしょ?轟。

愛騎:な、なんで知って、、、!

麗日・響香:(昨日は轟で今日は愛騎ちゃんかぁ〜もうお互い好きだってこと気付いてないのかな?)

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