翌日の夜。
今日は「飴と鞭」のいわゆる「飴」の方、、らしい。
肝試しをする。
しかしあいにく、嬉しそうにしていた三奈ちゃんは補修、、だそうで、参加することはできなかった。
そして、私は運がとても良いと思う。
愛騎:轟くん!一緒だよ!よろしくね!
焦凍:ん?おぅ、
もうさ、肝試しとかさ、王道中の王道だよね?!
ここでとびっきり可愛い姿とか??守りたくなる姿とか??見せちゃえば??
もう轟くんゲットだよね、もう落ちるよね?!
最近はまぁ、轟くんも私のことを少しくらいは意識してくれているようだし。
焦凍:もう俺らの番だ、行くぞ。
愛騎:あっ、、うん!
八百万:愛騎さん、、頑張ってくださいまし!
愛騎:ありがと〜!
このクラスで私の思惑を知らないのは、多分轟くんだけだと思う。
相澤先生は、、気付いてるかもしれないし、気付いてないかもしれない。
でもどうせ相澤先生は気付いてても何も言わないだろうしね。
焦凍:、、、怖いか?
愛騎:え、あ、怖くな、、
いじゃなくて!!
あっぶな!!
愛騎:怖い、、な、、轟くん、腕、掴んでも良いかな、、、?
焦凍:?別に良いが、
そう言って私は、轟くんの腕に巻きつくようにしがみついた。
気付かれないよう、轟くんを見る。
あぁは期待したけど、、どうせ無表情で前とかむいてるんだろうね。
、、、、、とか思ってたけれど。
あれ、、少し、耳赤い気がするなぁ、、
前もこんなことあった気がするけど、、
愛騎:轟くん、、照れてる?
焦凍:照れてねぇ。
、、、、え、待ってこれ照れてない??
愛騎:え、ほんと?
焦凍:おぅ。
愛騎:え、嘘だ、、、
少し轟くんの反応が面白くて、からかおうと思ったのに。
どこからか、臭い匂い、、ではないけれど、刺激臭が漂ってきた。
愛騎:んっ、、轟くん、なんか、、匂い、しない?
焦凍:、、、おぅ。
愛騎:もしかしてっ、、ヴィラン、、、?
焦凍:!!
私は無意識に、轟くんから離れていた。
顔を向かい合わせて話す。
愛騎:きっとまだ皆、さっきのとこいるよ!!どうする?!
焦凍:、、、あっちにはヒーローがいる。、、、守宮。お前は先に宿舎に戻ってろ。
愛騎:どうして?!私も轟くんとついてく。
焦凍:宿舎の方向は分かるか?多分このままあっちに真っ直ぐ、、
愛騎:ねぇ無視しないで。、、、もしヴィランに会っても、私が盾になれば良い。私の個性はそういうものでしょ?
焦凍:、、、お前はヴィランに狙われてるだろ、
愛騎:そんなこと一言も言ってない!
焦凍:USJのとき。俺は知ってるぞ。
愛騎:っ、、
焦凍:俺はもし守宮になんかあったら辛いから言ってんだ。悪いが、分かってくれ。
愛騎:、、、分かったわよ、、
私はそこから、1人で轟くんと離れた。
夏油:やぁ、、待ってたよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!