第30話

30
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2019/10/19 15:41
あなた
あなた
ふう、さっぱりさっぱり
気づいたら11時半頃まで寝てしまっていた私は、ようやくお風呂に入り終えた。

ウソク
ウソク
………あなた
あなた
あなた
ぎゃぁぁ!!もう、なんでいつもこっそり近づくの!
ウソク
ウソク
面白くて、つい…
へらへら、と笑うウソクはまるで反省していないようだ。
ウソク
ウソク
髪の毛乾かしてあげる
あなた
あなた
え、いいよ、できるよ自分で
ウソク
ウソク
やだ、俺がやりたいの。
座って座って、とウソクに促されて私は大人しく椅子に座った。

大きな手が優しく私の髪を梳く。

ウソク
ウソク
柔らかいね、あなたの髪の毛
あなた
あなた
そうかな?ウソクも柔らかいと思うよ?
ウソク
ウソク
俺はごわごわだよ笑
ドライヤーの音とともに聞こえるウソクの声が心地いい。

ウソク
ウソク
耳もふにふにだね
あなた
あなた
ひぇっ、やめてよ急に!
ウソク
ウソク
焼きたてのパンみたい
あなた
あなた
〜〜っウソクだってふにふにじゃん!
ウソク
ウソク
ぅわっ、こら、やめて笑
ここからはもう大変だ。髪の毛を乾かす所ではない。どちらが相手の耳たぶを触るか、大乱闘だ。

ウソク
ウソク
あなたはほっぺもふにふにだ!
あなた
あなた
それは遠回しに太ってるといいたいのかな??
むぎゅ、とウソクのほっぺをつまむとイケメンな顔が少し崩れる。

ウソク
ウソク
そういうことではないれす、はなひて
あなた
あなた
よろしい
ウソク
ウソク
よし、じゃあ今日は一緒に寝よ
あなた
あなた
ええ?また??
ウソク
ウソク
さあさあ
手をがっしりと掴まれ、ぐいぐいとウソクは進んでいく。あ、また私の部屋で寝るのね。
ウソク
ウソク
さあ、どうぞ
あなた
あなた
どうぞってあんた、私の部屋なんだけど笑
いかにも自分の部屋かのように振る舞うぞ、この男。先にベッドに入ってるし。

ツッコんでいても仕方が無いので、大人しくウソクの隣に寝っ転がる。

ウソク
ウソク
ほんとに痛くない?
ウソクは怪我したところを労るようにそーっと抱きしめてくれた。

あなた
あなた
もう全然だよ。思ったより酷くなくてよかったねぇ。
ウソク
ウソク
まるで他人事のように……本当に心配してるんだから。
あなた
あなた
ありがとうね、いい子いい子
ウソク
ウソク
……子供扱いするな

むす、と拗ねた顔のウソクが可愛くて、ついつい頭を撫でてしまう。

ウソク
ウソク
あなたの方が子供みたいだよ、小さいし
あなた
あなた
あなたが大きすぎるんですよ……

ウソクの長い足は、器用に私の足に絡みついて離れない。こんなスタイルに産まれたかったな〜
あなた
あなた
……でも、ウソクが私のことを好きって不思議な感じだね
ウソク
ウソク
え?なんで?
あなた
あなた
だってほら、ウソクはアイドルでしょ。だけど私はただのマネージャーだし。それにウソクには私よりももっともっと可愛いファンの子達がたくさんいるじゃん。
ウソク
ウソク
そんなこと思ってたの?
あなた
あなた
うん、純粋になんでかなーって
ウソク
ウソク
あなただからだよ。可愛いとか、可愛くないとか、そんなことじゃなくて。あなたじゃなきゃダメだと思ったから……

言っていて恥ずかしくなってしまったのか、だんだんとモゴモゴしだした。うん、だって聞いてるこっちも恥ずかしいもん。

ウソク
ウソク
……でも最近、すごく嫉妬する
あなた
あなた
え?嫉妬?なんで
ウソク
ウソク
だってあなた、ヒョンたちとすごく仲良くするじゃん。いや、普通のことなんだけどさ。シノニヒョンと2人でアイス食べたり、ジノヒョンに好きとか言ってみたり、今日だってキノと二人でどこか行ってたでしょ?
ウソク
ウソク
……俺、そろそろ嫉妬でどうにかなりそう
そういって、ウソクはぐりぐりと私の首元に額を押し付けた。

ウソク
ウソク
こんなのカッコ悪いってわかってる。けど、どうしても思っちゃう
あなた
あなた
……なんか、嬉しいね
ウソク
ウソク
…なにそれ
あなた
あなた
だって、すごい私のこと好きってことでしょ?可愛いなーウソクちゃんは〜
ウソク
ウソク
馬鹿にしてるでしょ
む、とした顔のウソクは腹ただしそうに私に口付けをした。

あなた
あなた
でも、私も嫉妬するよ
ウソク
ウソク
え?いつ?なんで??
あなた
あなた
お仕事だってわかってるけど、ウソクがファンの子の手を握って話してる時とか、やっぱり複雑な気分だよ。
あなた
あなた
……でも今は、今のこの瞬間は、私だけのウソクだから。幸せ
ウソク
ウソク
………え、なにそれ、可愛すぎるんだけど

そういうとウソクは何回も何回も私にキスをした。いやしすぎやて、唇取れるて。

ウソク
ウソク
俺、すごい嬉しい。こんなふうに好きなの、俺だけだと思ってたから
ふにゃ、と幸せそうに笑う。
つられて私も笑う。

あなた
あなた
ありがとう、ウソク。いつもたくさん幸せをありがとう。


ウソクに応えるように大きい背中に精一杯手を伸ばして、ぎゅ、と抱きしめた。


ウソク
ウソク
こちらこそ。あなた、大好きだよ

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