え、なにそのルール。
そんなのあったっけ?
考える間もなく私の手からお酒を奪い取ったウソクは、そのまま一気に飲み干してしまった。
酒の入ったオッパはいつも以上にうるさい。
高音がとてもよく出てる。マジで頭に響く。
自然と周りからキスコールが流れる。
おい、なんだこれ。どこの大学の飲みサーだよ!!
ウソクもノリノリじゃん。
ほら、じゃないんだよ、ほら、じゃ。
私が戸惑っていると、ウソクは私の顔に合わせて背をかがめてくれた。
いや、高さの問題で戸惑っていたわけではないんだけれどね??
もう仕方がない。
所詮頬にキスだ。西洋では挨拶の一環だ。
ちゅ、と頬に少し触れるだけのキスをした。
お酒が入っているせいで、いつもよりとろんとした笑顔のウソク。
そんなにキスが嬉しかった?
そりゃあ良かったよ……
じろ、と隣のウソクに見つめられる。
さっきまでの笑顔はどこへ行ったの……
おんおん、とユウトにすがりつく。
本当にユウトは優しい子だ。我らがアダチユウトだ。
もうカオスだ。
凄まじい。手に負えない。
そして私はもうこれ以上飲めない。
そしてさらに最悪なことに、私は壊滅的にゲームが下手だ!!
絶望の2文字が目の前に浮かんだ。
あぁ………。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。