第33話

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2019/10/22 16:37
え、なにそのルール。
そんなのあったっけ?
ウソク
ウソク
あなた、俺が飲んであげる
あなた
あなた
あっ
考える間もなく私の手からお酒を奪い取ったウソクは、そのまま一気に飲み干してしまった。


フイ
フイ
あ〜〜〜〜俺が飲もうと思ってたのに!!!

酒の入ったオッパはいつも以上にうるさい。
高音がとてもよく出てる。マジで頭に響く。


キノ
キノ
キスだよ、あなた。
あなた
あなた
え、キノちゃんまで
シノン
シノン
まあ、そういうルールだからね笑

自然と周りからキスコールが流れる。
おい、なんだこれ。どこの大学の飲みサーだよ!!
ウソク
ウソク
ほら、あなた
ウソクもノリノリじゃん。
ほら、じゃないんだよ、ほら、じゃ。


私が戸惑っていると、ウソクは私の顔に合わせて背をかがめてくれた。


いや、高さの問題で戸惑っていたわけではないんだけれどね??
あなた
あなた
うう……是非もなし……

もう仕方がない。
所詮頬にキスだ。西洋では挨拶の一環だ。

ちゅ、と頬に少し触れるだけのキスをした。

ウソク
ウソク
へへ、やったね

お酒が入っているせいで、いつもよりとろんとした笑顔のウソク。

そんなにキスが嬉しかった?
そりゃあ良かったよ……


ヨウォン
ヨウォン
よーし!ゲーム続けよ〜!
あなた
あなた
え、まだやるんですか
ホンソク
ホンソク
まだ夜は始まったばかりだよ
あなた
あなた
オッパが言うとなんかエロいんで辞めてください……私もう飲めませんよ〜
シノン
シノン
負けなければいいんだよ!負けたら誰かに頼んでさ〜
ジノ
ジノ
あ、面白くないから同じ人はダメね!
あなた
あなた
え、ちょ、みんな鬼畜すぎません??
イェナン
イェナン
いや、正直あなたが驚くほどゲームに弱いだけだよ
あなた
あなた
えっ、ほんとに心にくる。イェナニオッパ……
ウソク
ウソク
あなた、絶対に負けちゃダメだよ。絶対にキスしちゃダメだから


じろ、と隣のウソクに見つめられる。
さっきまでの笑顔はどこへ行ったの……


ユウト
ユウト
あなた、大丈夫??
あなた
あなた
ユ、ユトや〜〜〜君だけが私の味方だよ〜〜


おんおん、とユウトにすがりつく。
本当にユウトは優しい子だ。我らがアダチユウトだ。


ユウト
ユウト
おお……あなた、ウソクが不服そうな顔してるから、離れよう?
ウソク
ウソク
…あなたはユウトのほうがいいの?
あなた
あなた
ええ!なんでそうなるのよ〜〜


もうカオスだ。
凄まじい。手に負えない。


そして私はもうこれ以上飲めない。
そしてさらに最悪なことに、私は壊滅的にゲームが下手だ!!



絶望の2文字が目の前に浮かんだ。
あぁ………。


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