第17話

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2019/10/10 14:31
あなた
あなた
ねえ、それほんとにバレない??
帽子にメガネ、マスク……
逆に怪しい。



ウソク
ウソク
大丈夫、ばれないよ
あなた
あなた
ウソクでかいからなあ……
ウソク
ウソク
大丈夫だって。ほら、行こいこ



いざタピオカ屋の前に来てみると、予想通りの長蛇の列。さすが最近オープンしただけある………。



ウソク
ウソク
り、り……りんご
あなた
あなた
ご……ごりら
私たちは長い待ち時間をしりとりという非常に子供っぽい遊びでやり抜いた。

あれ、私ちゃんと乙女ゲームの中にトリップしてるよね??もしかして何か選択肢ミスってる??笑



そんなこんなで、無事に黒糖タピオカを手に入れた私たちは、大人しく宿舎に戻ることにした。


もう夕方だしね。



ウソク
ウソク
え〜もう帰るの?
あなた
あなた
だってもう夕方だよ?
ウソク
ウソク
もう少しいようよ〜
ちぅ、とタピオカを飲みながらウソクが頬を膨らました。
ウソク
ウソク
あなたはもう少し俺と一緒にいたくないの?
宿舎に戻ったら、ヒョンたちがきっと帰ってきてるよ、二人っきりじゃなくなるんだよ、とものすごく念を押された。


あなた
あなた
わかったよ、じゃあタピオカ飲み終わったら帰ろ?
ウソク
ウソク
うん、
そういうとウソクは一気にタピオカを飲むスピードを落とした。おい。
そのスピードで飲んでたら夜が開けるわ。


あなた
あなた
ウソク……じゃなくて、ウリックはさ、
ウソク
ウソク
ぶふっ
さすがに実名はバレるかと思い、咄嗟に偽名を出してみたらツボってしまったようだ。



あなた
あなた
ウリックは、なんでいつも優しいの?
ウソク
ウソク
優しい?そう?
わからん、と言ったふうに頭をかしげる。
もちもち、とタピオカを噛む度に小さな口がもくもくと動く。


あなた
あなた
優しいよ、すごく


ここが現実世界ではないと知っていても、恋に落ちてしまうほどに。


ウソク
ウソク
あなたのことが好きだから
あなた
あなた
……ん?
ウソク
ウソク
あなたのことが好きだから、優しくするんだよ


真面目な顔で、大きな黒い瞳が私を捉える。
ああ……ほんとうに。


あなた
あなた
……私も、好きだよ

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