もうダメだ〜
これ以上飲んだら絶対に吐くし、好きな人の前で吐きたくない!!
どうどう、とジノオッパがウソクを宥める。
ちゅ、とお酒で少し紅潮したオッパの頬に口付けた。
何をやってるんだ私は……
ぶわわ、と急に泣き出したウソクが私にすがり付いてきて離れなくなってしまった。
図体はでかいのに中身は子供って、まさにこのことだよあんた……。
ど、どうにかして………
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結果的に私はそのあとも負け続け、ほとんど他のメンバーに飲んでもらうことになった。
みんな気が済んだのかぞろぞろと自分の部屋へと帰っていく。
ほんとに自分勝手だな!!?
ウソクはというと………
完璧に潰れた。
あのあと、ゲームに負けていないのに自分でぐいぐい酒を飲み続け、ひとしきり泣いたあと眠ってしまった。
……私に思いっきり抱きついたまま。
揺らしてみるとかすかに身動ぎはするが、またすぐに眠ってしまう。
困ったもので思い切り抱きしめられてるせいで抜け出すことすら出来ない。
はむ、と私の耳を口に含んだウソクは幸せそうに笑っている。
私の長い長い夜が始まるのであった……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。