第35話

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2019/10/26 13:37
ふわふわする。


こんなにお酒を飲んだのは初めてで、何が何だかもうよく分からない。



ぼんやりする頭を稼働させ、重たい目を開いてみると俺の腕の中にすっぽり収まるあなたに気がついた。



……俺たちあのままリビングで寝ちゃったのか……



ウソク
ウソク
う、頭痛い……
まじで飲みすぎた。
くだらないヤキモチなんか焼いて、1人でお酒を飲みすぎた。


そんなこととは露知らず、彼女はというとすっかり眠りこけている。かわいい。
ウソク
ウソク
あなたは、俺の事どう思ってるの?
好きだとは言ってくれたけど、じゃあ俺たちの関係ってなんなの?


俺がいるのに、なんで他の男と仲良くするの。なんで嬉しそうに笑うの??



黒い感情がどろどろと流れてきて止まらない。人を好きになるってこんなに大変だったっけ?


ウソク
ウソク
きっと俺だけがこんなに好きなんだな…
眠るあなたの頭を撫でると、気持ちよさそうに頬が緩む。


その姿を見ていると、細かいことなどどうでも良くなって。
ただ君が俺の隣で、いや俺の隣じゃなくても、幸せに笑っていてくれればそれでいい。



あなた
あなた
………んー??……ウソク…どうしたの?
ぼやぼやした顔のあなたが俺の顔を見上げた。

ウソク
ウソク
おはよう
あなた
あなた
んー……
ウソク
ウソク
昨日は、楽しかったね
あなた
あなた
んー……ん?
ウソク
ウソク
あんなあなた初めて見た……
あなた
あなた
……え、ちょっと待って??


俺がわざと意味深な返答をすると、あなたは途端に慌てだした。



ウソク
ウソク
嘘だよ、何も無いよ
あなた
あなた
ほんっとにタチ悪い!

ぽかすか、とあなたは俺の胸を叩いた。


あなた
あなた
ほんとに焦った……覚えてないと思って……
ウソク
ウソク
なに、覚えていたいの?
あなた
あなた
そりゃそうでしょ、……だって好きな人だし……
ウソク
ウソク
え?なぁに、聞こえなかった
もごもごと口を濁すあなたが可愛くて、余計にからかいたくなる。


ウソク
ウソク
じゃあ、今からしちゃう?
あなた
あなた
し、しませんっ!!
ウソク
ウソク
へへ、嘘だよ、ここにいて
あなた
あなた
すぐからかうんだから……
ウソク
ウソク
ごめんごめん……あ゙〜〜頭痛い
あなた
あなた
大丈夫?私は割と平気かも…
ウソク
ウソク
そりゃあなたは色んな人に代わってもらってたじゃん……

うわーなんかやっぱり思い出してムカムカしてきた。例えほっぺだとしても他の男にキスして欲しくない。


ウソク
ウソク
あーーあ。あなたはすぐ他の人にもキスするからなあ
あなた
あなた
え゙っ、そ、だ、だって、もう飲めなかったんだもん…
ウソク
ウソク
はああ〜…。俺はこんなにあなただけを好きなのになあ

わざとらしくため息をついて、意地悪く言ってみると、あなたは次第にオロオロとし始めた。

あなた
あなた
……だって、ウソクの前で吐きたくなかったし……
ウソク
ウソク
ふーーん、でも俺傷ついたな
あなた
あなた
うっ…ごめん……
ウソク
ウソク
ねえ、こういうときどうすればいいかわかる?
あなた
あなた
う、、なにか奢る……?
ウソク
ウソク
なんでだよ笑  そうじゃなくて。


はてなを頭に3つくらい浮かべたあなた。
そんな姿も可愛くて、俺って末期だなって思う。


ウソク
ウソク
キスして、あなたから。
あなた
あなた
え、ええぇええ〜〜!!や、やだよ。
ウソク
ウソク
なんで。俺今のでさらに傷ついたよ
あなた
あなた
せめて歯磨いてからに……
ウソク
ウソク
やだ。今じゃなきゃやだ。

逃げようとするあなたの腰をしっかり抱きしめた。
あなたは観念したように俺の顔を覗き込んでいる。かわいい。ほんとに可愛い。


あなた
あなた
……わかったよ、目つぶって?
ウソク
ウソク
ん。


言われた通りに目を瞑ると、3秒くらい経過してから柔らかいあなたの唇が一瞬だけ触れた。


え、それだけ?短くない?


ウソク
ウソク
ふま〜ん。ふま〜ん。
あなた
あなた
なんでよ!キスしたじゃん!
ウソク
ウソク
短すぎる〜〜ふま〜ん。
あなた
あなた
も、もう、じゃあウソクからキスしてよ……
むすっと拗ねてしまった。
え、俺からしていいの?それはそれでなんか、あれだね。


ウソク
ウソク
じゃあ遠慮なく。
あなた
あなた
っっ、
何回も何回も角度を変えてあなたの唇に自分の唇を押し付けた。


最後にあなたの唇をペロッと舐めてみると、あなたは本当に恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。


あなた
あなた
まじで……ほんと……
ウソク
ウソク
ねえ、俺たちちゃんと正式に付き合わない?


そんなあなたの姿を見ていたら、どうしてもこう言わずにはいられなかった。

あなたが俺の立場と自分の立場を考えて、付き合わないという選択をしていたのも知っていたし、理解もしていた。


でもやっぱり無理だ。
昨日みたいに頬にキスしてるのを見るだけでもどうしても腹が立つし、こんな可愛い顔も反応も全部俺のものにしたい。


ウソク
ウソク
ね、お願い。俺、あなたの彼氏になりたいよ。

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