第12話

第拾壱話
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2022/03/18 15:00
あなた

昨日はごめん

雷光がオムライスセットを食べながら言う。
爆豪勝己
なんかあったんか
それに比べ爆豪は激辛ラーメンセットというものを食べている。



爆豪が聞くと雷光は手を止めた。
あなた

わかんない

爆豪勝己
は?
爆豪は意味もないのに泣いたのか、という顔をしている。
あなた

わかりやすい音と顔してるね、笑

爆豪勝己
意味もねぇのに泣いたって知ったら誰だってこうなるだろ
あなた

そうなのかな?笑

爆豪勝己
作り笑いやめろ
見てて気持ち悪ぃ
爆豪の言葉に雷光は目を見開く。
あなた

なんで、わかるの?君たち・・・は...

爆豪勝己
なぁ、その君たちって...
爆豪が何かを言いかけるといきなり「ウウーー」と何かの警報が鳴りだした。
あなた

警報...?

「セキュリティ3が突破されました。」



「生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください」


と、アナウンスが校内に鳴り響いた。
あなた

セキュリティ3って何なんですか?

落ち着いた声色で前の席に座っていた(先輩であろう)男の人たちに聞いてみた。
男A
校舎内に誰か侵入してきたってことだよ!
三年間でこんなの初めてだ!!君らも早く逃げるぞ!!
食堂の扉には幾人もの人がごった返しており、とても逃げられそうにもない。
あなた

侵入してきたって...何が?

雷光はそう言って窓際に立つ。
爆豪勝己
ケッ、マスコミかよ
と、爆豪が雷光の後ろに立って吐き捨てた。
あなた

席に戻ろう

席に戻るため、反対側を向こうとすると人の塊が雷光と爆豪の方へ向かって来て二人は流れに巻き込まれた。
あなた

ちょっとッ、嘘でしょッ...

爆豪勝己
おまッ、手ェ伸ばせ!!!
雷光は人波に流されていく。



すると壁際にいる爆豪が雷光に向かって手を伸ばした。



その手を掴もうと手を伸ばすがもう少しというところで届かず、手が空を切る。

あなた

あとッ、少しッ!

そして互いにこれでもかと手を伸ばす。



軽く手が触れ合い、ギュッと爆豪が雷光の手を握る。
爆豪勝己
一気ん引くぞッ、
グイッと雷光の手が引かれる。



気が付くと雷光は爆豪の胸に顔を埋めていた。



そして守るように雷光を壁側にして爆豪は腕を壁に着けている。



所謂いわゆる壁ドン状態。



だが普通の壁ドンとは違い、手のひらではなく腕を壁に付いているため、通常よりも密着度が高い。
あなた

あり、がと...

爆豪勝己
おー
爆豪はそう言うと顔を赤らめてそっぽを向いた。



トンッと爆豪は背中を押され、二人の体は更に密着した。
あなた

あ、ごめッ

爆豪勝己
気にすんな、
雷光はふと目の前にあった爆豪の胸に耳を当てた。





──────トクッ、トクッ、トクッ、トクッ。





心臓が一定のリズムで脈を打っていた。
あなた

(あぁ、生きてるんだ...暖かい...)

静かに目を瞑る雷光を見て爆豪は抱きしめようとするが躊躇ちゅうちょした。
爆豪勝己
(どうやったら、コイツの闇を晴らせんだよ...)

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