PM.0:50
キーンコーンカーンコーンと学校ならではのチャイムの音が校舎内に響き渡る。
相澤先生がそう言うと教室中がざわめく。
だが「おい、まだ途中」の一言だけで一斉に静まり返った。
救助訓練...か。
人を助けるのなら慣れてるケド、あの頃とは状況も違うからな...
ていうかヤバい、体が重い...
私そんなにお昼ご飯食べたっけな。
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バスに乗る前、飯田くんがそう言ったが思っていたバスの構造とは違い、ガッカリしていた。
私の隣は爆豪くんでずっと真顔、バスに揺られているとなんだか眠くなってきていつの間にか夢の中へ入っていた。
爆豪くんの肩にもたれかかっているとも知らずに。
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話を遮られる。
普段穏やかな玄弥くんから出るとは思われないほど大きな声で言われ、ビクッと体が反応する。
ツーと頬に一筋の涙が流れる。
すると玄弥くんの手が頬に触れた。
と、悲しげな顔で微笑みながら優しく涙を拭う。
クルッと向きを変えて私を背を向ける。
「早く、僕のこと忘れてくださいね。」とだけ言い残して玄弥くんはなにか黒いモヤの中へと消えていった。
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ムニッと頬に人肌を感じた。
「ん、」と声を漏らしながら目を覚ますと爆豪くんが私の頬をつねっていた。
そう言ってバスから降りていった。
頬に触れると濡れていた。
変に思われちゃったかな、笑
君といると...いっつも涙流しちゃってるね。
夢見て泣くなんて...ホントに駄目だな...
早く行こう、と思い立ち上がるとフラッとよろめいた。
が、それは一瞬で何も無かったので思い込みだと思いみんなの元へと急いだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。