あなたは、この世界に存在する、人ならざるものについて知っていますか?
その種類は様々。
人間とは真反対の世界に住む、妖怪。
人間界のあらゆるものを操ることができる、神々。
神々とは真反対の空間で生活し、時に人間の前に姿を現す、悪魔。
見た目は、怪物そのもののようなものもいれば、人型のものも。
そのものたちは、いつ私達の前に姿を現すかわからないのです。
………へぇぇ!!妖怪に神様に悪魔っ!!すごーい✨
ありがとお姉ちゃん!!
叶が喜ぶと思って。笑顔になってくれてよかったわ
また来るわねっ
うんっ……!!またね!!
私は、高校1年生。
今年の春、私は重い癌にかかった。
それからというもの、私は病院に篭りっぱなし。
外を見れるのは、この窓からだけ。
夜凪さん、先生からお話があるから少し来れる?
あ、はい、、、、
………今行きます
私は、救急車が嫌いだ
私が倒れた時、焦る人の声と、お母さんの涙とともに出るかすれた声が
今でも耳に残っているから。
病院だって嫌い。
生きてる心地がしないほど、つまらない。
……あぁ、叶ちゃん
せんせ、なんかあったんですか?
それがね、昨日精密検査を受けてもらっただろう
はい、点滴、痛かったです
やりきったこと、すごく偉かったね
それで…実は、わかったことが一つあるんだ
なん、ですか?
…………叶ちゃんは
あと、3年しか生きられないんだ
.
.
えっ……………?
寿命が3年、ってことですか?
そうなんだ
決して逃れることのできない死の未来が、叶ちゃんにはある
うそ、うそですよね
私、死ぬの………?
叶ちゃん……
……………私もう戻ります
私は診察室を飛び出して、早歩きで4階の自分の病室に戻った。
(なんで、なんで…こんな)
うぅ……うぁ…っ
涙止まんないしっ……かっこわる…
私はすぐに、病室のベットの上で枕に顔を埋めた
もっと………もっと自由に
自由に生きたいっ……
私がそう口にしたその瞬間、窓からぶわっと強い風が吹いた。
っひゃ!?
………その願い
オレが叶えてあげてあげるっ
ふぇ!?
いひひっ
な、え!?窓から入ってき……
不審者ぁぁ!?
ちがーう笑
じゃあなにっ、泥棒!?変態っ!?!?
だから怪しむなって〜笑
え、な、なにものですか……
オレはねー………
……知りたいぃ?笑
だから聞いてんでしょーが!!!怒
あーはいはい
オレは悪魔。名前はない
キミの願い事叶えたげるって言ってんの〜
悪魔……?今日お姉ちゃんが言ってた、悪魔?
自由に生きたいんでしょ?オレといれば、その願い叶えられるかもよ?
ほんとにっ!?ここから出してくれるの……?
あぁ、そうだよ。ただし……
オレと契約を結ぶなら、ね?ニヤッ
契約?…でも、ここから出してくれるんなら
………わかった
よしっ、そうこなくっちゃ
っわ!?
背中をぐっと引かれ、私はその悪魔にキスされた
ん、んん!!!
っは……ちょ、なにすんの!?///なんかすごい変な感じしたし……
契約完了☆
契約を結ぶと、悪魔と人間の命がつながる。一心同体、みたいな感じ?
だけど、キミはあとちょっとで死んじゃいそうだから、オレの命を半分分けてあげたんだっ
命を……半分……?
だからキミは今、半分悪魔ってコト。
ちょっといろんなものが見えたり狙われたりするかもしんないけど〜…
オレがあげた命、無駄にしないように、オレから離れちゃダメだよぉ?
わ、わかった……
(だからってあんな唐突にキスする!?!?////)
……あれっ
もしかして〜、ふぁーすときすっ?ニヤニヤ
っな……!!///ばかっ!!!////
いひひっ、オレそういう照れた余裕ないカオ、好きだよ♡
〜〜〜〜っ///
コンコンッ
叶ちゃん、いる?
っやば!先生きたし……
さーてと、しっかり掴まっててね?
わぁ!?ちょ、え!?
その悪魔は、私をひょいっと抱き上げて病室の窓に足をかけた。
うそ…でしょ、まさか、飛び降りるとか言わないでよ…?
へへっ、そのまさかですよ、お姫様☆
い、いやぁぁぁああぁ!!!
入るよ……って、あれ?
いない……?
.
.
っ………こ、
怖かったぁぁあ……
ほーらね?無傷じゃん
これから私どうすればいいわけ?家に帰ったら親に怪しまれるし
病院から抜け出したってバレたら……
お安い御用!まぁキミが病院にいないってなったら大騒ぎでしょうから?
ちょーっとだけ、記憶をいじっちゃおう
どういうこと…?
キミのこと知ってる人から、キミの記憶だけを抜く。
んで、この箱にしまっとくのさ。だから、
永遠にキミのこと忘れるわけではないから安心して?
そんなことができるの?
もちろん。契約を結んだ相手のお望みだ。叶えてあげないと、ねっ?
悪魔はパチンッと指を鳴らした。
すると、持っていた箱の蓋がパカッとひらいて、白い煙のようなものが
箱の中にすぅっとみるみる入ってきた。
これがキミの記憶。みーんな、キミのことを忘れてく
私のことを……忘れて…
(私のことを知ってる人は、この世に居なくなるんだ……)
………どした?今更寂しくなってきちゃった?
え、いや、そんなこと……
悪魔は、私の頭をぽんぽんっと撫でて、ニヤッと笑った
だいじょーぶ、キミにはオレがいるじゃん
オレが、なにがあっても守ってあげるから、ね?
う、うんっ……
背丈は身長の低い私より少し大きいくらいで、
制服のような違うような変わった服装をしている。
目は真っ赤に光っていて、一見可愛らしい見た目。
よーし、終わりっと
私、どこにいけばいいの…?
んー、ひとまずっ、オレの住んでるところへおいでよ!
キミもきっと、満足してくれる
……ねぇ、さっきからキミって呼ぶのやめてくれない?
なんか偉そうでむかつく
ストレートに言うね〜笑
私の名前は夜凪叶、キミじゃないから
ふーん?
いい名前してんじゃん、叶♡
ち、近い!!////
いちいち距離が近すぎ!!//
照れてる〜かわい笑
からかわないでっ!!///
………あ、私は、あなたのことなんて呼べばいいのっ?
……………そうだね
そんなこと聞かれたの初めてだからなんとも言えないけど
そう、なの…………?
悪魔としか呼びようないよ〜?
えぇ〜、……じゃあ
悪魔くん、って、呼んでもいい?
………うん!いいよっ
じゃあ悪魔くんって呼ぶね!
…………そう、ありがとう、叶…。
う、うん?
こうして、もうすぐ死ぬはずの私は
誰にも秘密の、悪魔との第二の人生が始まりました
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。