第40話

風呂…そして
9,586
2020/08/21 07:00
チャポーン
久しぶりにたっぷり愛し合い
俺とあなたは、互いの全身を
綺麗に洗いあった。

二人で湯船に体を沈めると
お湯がザブッと流れ出た。

あなたが笑っている。
あなた
ふぅっ
お風呂、落ちつきますね
義勇さん
義勇さん
ひざにおいで
あなた
はーいっ
あなたは、嬉しそうに
俺のひざにチャプンと収まった。

まあ…俺も嬉しい。
あなた
ぎゅってしてほしいです
義勇さん
義勇さん
ああ
あなたの腰に手を回して
ぐいっと引き寄せた。
あなた
ん…
ぎゆうさ~んっ
あなたが、俺の口を
ぱくっとした。

なんだこのかわいい口は。
義勇さん
義勇さん
とんだ甘えたさんだ
あなたが、俺の濡れた前髪を
かきわけて遊びだした。

されるがままの俺。

あなた
おでこ出てるのも素敵ですよ
大人っぽくて
耳も
義勇さん
義勇さん
俺は大人だぞ
あなたが、俺のおでこを指でなぞると
小さく口づけをした。
あなた
私も大人ですよ
義勇さん
義勇さん
まだ18じゃないか
ほっぺをふくらませると、
幼さが残る笑みだ。

だが、そこがまたよい。
あなた
そんな18の私を
めちゃめちゃ抱いてるのは
誰ですかーっ
義勇さん
義勇さん
…ッ
生意気な口はこうしてくれる
まったく。

さっきから目の前を胸がちらつき、
がんばって抑えているというのに
あなたはっ…!
あなた
アッ…
んんっ…離しっ…ハァッ
義勇さん
義勇さん
離すものか
風呂というのは、
心も裸になれてしまうらしい。
義勇さん
義勇さん
あなたを抱けなくて
毎日つらかったんだぞ

まだ足りないくらいだ
あなた
ごめんなさっ…ハァッ
んっ…
あなたの息が止まるくらい
口を覆い、舌を吸い尽くす。

あなたの顔と体が、みるみる紅潮する。


俺を熱っぽく見つめるあなた。
義勇さん
義勇さん
かわいすぎる…
俺は、あなたの首筋に
めいいっぱい痕をつけた。

俺のというシルシ
あなた
痛っ…
やぁっ…
義勇さん
義勇さん
すまない
強くしすぎた

これはどうだ
あなたの胸元に手を添えると、
顔をうずめて、ちゅっと吸った。
あなた
んっ…
義勇さんっ…アァッ…
義勇さん
義勇さん
あなた…
そんな声…/////
先ほどあんなにしたのに、
俺はまた…。

湯にのぼせそうになり、
ザバッと立ち上がった。
あなた
あの…義勇さんのが…/////
義勇さん
義勇さん
いいか?
あなた
コクン…
あなたは小さくうなづくと
チロッとなめてきた。

あぁ…。
義勇さん
義勇さん
ハァッ…あなた
あなた
私ものぼせてしまいそうです…
俺はあなたを湯から抱き上げ、
浴槽のへりに座らせた。
するとその時…

コンコン…
義勇さん
義勇さん
なんだ
窓の外に、俺の鎹鴉が来た。
任務だ……。

うそだろ!?


細く窓を開けてやる。
鎹鴉
カァカァ
キンキュウニンムダ…
あなた
義勇さん、
すぐに仕度しますね
義勇さん
義勇さん
行きたくない…
せめてあと10分…
いや、5分あれば…。

俺の鴉は、年寄りだから
そんなのわかるわけないな。
あなた
鬼狩り様の義勇さんが
一番素敵ですよ
義勇さん
義勇さん
ああ…
あなた
私、待ってますから!
義勇さん
義勇さん
むぅ…
あなたは、手際よく
俺に、隊服を着せ、
刀を持たせてくれた。

俺は、足下をしっかりと
さらしで巻いていく。
義勇さん
義勇さん
もう夜だからな
しっかり戸締まりして、
絶対に外に出るなよ
あなた
はい
お気をつけて
義勇さん
義勇さん
鴉の話では、
那田蜘蛛山というところで
隊士がたくさん消えているらしい
あなた
そんなっ…
義勇さん
義勇さん
帰りは遅くなるかもしれない
あなた
どうかご無事で
俺は、玄関を一歩出たが、
後ろ髪を引かれる思いで
ふり返った。
義勇さん
義勇さん
首…真っ赤に痕がついて…
すまないな
あなた
いいんです
この痕を見て、
お祈りしていますね
義勇さん
義勇さん
あなた…行ってくる

俺は、日輪刀を携えると
夜の闇を駆けた。




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