緊急の柱合会議から戻り、
あなたに全て話した。
甘露寺と時透に痣がでたこと。
痣者はもれなく25歳で寿命を迎えること。
そして…
柱は皆、痣を発現させることが
急務であること…。
あなたは、沈痛な面持ちで
崩れ落ちた。
あなたを抱きしめるしかできない…。
あなたの目から、
ぽたぽたと、とめどなく涙が落ちる。
俺も泣きたい…。
だが…。
抱きしめるあなたの肩が、
大きく震えた。
と同時に…
泣きじゃくるあなたを
ただ抱きしめ続けるしか、
できなかった…。
死にたくない…
あなたと結婚する前は
なかった感情だ。
それほどまでに、
俺にとってあなたは…
あなたはっ…!!
***
それからほどなく、
無惨との決戦に向け、
柱稽古なるものが行われた。
ある日、不死川が来た。
あなたを優しい目でみているが、
不死川は真剣だった。
不死川のまわりに、
ブワッと風が起こった。
俺と不死川は、
千年竹林に移動した。
あなたに俺の水の呼吸を見せるのは
初めてだ。
不死川には絶対負けられない。
それは不死川も同じだろう。
あなたに…俺の戦う姿を
目に焼き付けてほしい…
そういう想いもあった。
お互い、一歩も譲らぬ攻防が続いた。
不死川…なんて攻撃が重いんだ…。
だが、あなたの見ている前で
絶対に負けられない!
バキィ…
互いの木刀が折れた。
その時だった。
な、なんだって!?
お館様…!!
(※作者注 原作と少し流れが異なります)
俺は今一度、あなたを抱きしめ、
あごを持ち、深い口づけを捧げた。
必ず戻る…。
あなた、君の元に…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!