第35話

恥ずかしさに…
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2021/05/26 05:40
~義勇目線~


明くる朝。

目が覚めると、
あなたはすでに朝餉あさげ
食卓に並べていた。

大根の味噌汁から、湯気が立っている。
酒を飲んだ翌朝は、胃に優しいこれだ。


あなたの心づかいがしみる…。
俺はやはり、幸せだ…。
あなた
義勇さん、お目覚めですか?
おはようございます
義勇さん
義勇さん
あなた、おはよう
あなたさんの声
昨晩はずいぶん深酒なさって…
その…/////

覚えておいでですか?
もちろんだ。

いじらしく愛しいあなたを前に
どうしてもがまんできなかったんだ俺は…。
義勇さん
義勇さん
強引に抱いて、すまなかった
体、大丈夫か?
あなたさんの声
はい…/////

たまにはああいう義勇さんも
いいです…
義勇さん
義勇さん
そうか/////
声を抑えて恥じらうあなたを
後ろから動けなくして、
妙な興奮があった…。

あなたもなのか…/////

ならば…
あなた
あ…でもやっぱり、
顔を見ていたいので…
普段は、いつものがいい…です…/////
なるほど…。
それもそうだな。

俺だって、あなたの顔は
ずっと見ていたい。
かわいい俺のあなた。

だが、後ろからの密着感も悪くなかった。

あなたがしてくれるのもいいし…/////


悩ましい。
贅沢な悩みか?
義勇さん
義勇さん
前に宇髄が言っていた薬を
もらってくる
いろいろ試そうではないか
宇髄に教わった“技”も
まだあまり試してないしな。

あなたを一晩中、めちゃくちゃに
よがらせたいものだ…/////
あなたさんの声
えっ…
いろいろって…!?/////
義勇さん
義勇さん
今度、非番の日にな
あなた
ひゃい…
舌のもつれたあなたが
顔を真っ赤にしていると、

スッ…

襖が開いて、炭治郎が入ってきた。
炭治郎
炭治郎
お…おはようございますっ
義勇さん
義勇さん
炭治郎、おはよう
任務の前に朝飯を食っていけ
あなたさんの声
おはようございます
今よそいますね
炭治郎
炭治郎
…あなたさん!//////

はいっ…!!
ありがとうございますっ
あなたさんの声
たくさん、召し上がってくださいね
炭治郎くん!
炭治郎
炭治郎
はい…/////
なぜ、炭治郎が顔を赤らめる。

まさかあなたを
好きになったわけじゃないだろうな?
義勇さん
義勇さん
食ったら早く行け
炭治郎は、味噌汁をすすりながら
俺とあなたの顔を
ちらちらと見ている。
義勇さん
義勇さん
なんだ
炭治郎
炭治郎
いえ…/////
仲の良いご夫婦で、いいなぁって…////
あなたさんの声
えっ…?
義勇さん
義勇さん
まさか…聞こえていたか?
炭治郎
炭治郎
はい…
いやっ…俺は何も聞いてないですっ
義勇さん
義勇さん
聞こえていたか
まあ夫婦だからな
あなた
……/////

やっ…恥ずかし…
炭治郎
炭治郎
あなたさん?
義勇さん
義勇さん
あなたっ…
あなたは、顔を両手で覆い
部屋から出て行ってしまった。
炭治郎
炭治郎
義勇さん、すみません…
義勇さん
義勇さん
いや、いい
炭治郎はもう行ってくれ
炭治郎
炭治郎
はい
おじゃましました
炭治郎を見送ると、
あなたを探した。

あなたは、寝室でうずくまっていた。
義勇さん
義勇さん
なあ…
あなたさんの声
やっぱり、炭治郎くんに聞かれて…
こんな恥ずかしいっ…
義勇さん
義勇さん
あなた、すまなかった…
俺の配慮が足りなかった
あなたさんの声
義勇さん以外の男性に
聞かれてしまうなんて…
義勇さん
義勇さん
本当にすまない
そうだ。

あなたは本来は控えめな女性ヒトだ。
俺の前だけだというのに。
全てをさらけ出してくれるのは。

まだ18の娘だというのに
恥ずかしい思いをさせてしまった…。
義勇さん
義勇さん
俺が悪かった

あなた、こちらを向いてくれないか?
君の顔を見てからでないと、
任務に行くに行けない
あなたさんの声
…義勇さん
あなたの小さな肩を
そっと抱きすくめた。

あなたは顔を伏せったまま、
俺の胸にトン…と寄りかかった。

泣いている…。
義勇さん
義勇さん
あなた…
できるだけ早く帰ってくるから…
あなたから返事はなかった。

だが任務の時間なので、
後ろ髪を引かれながらも、
家を出るしかなかった。




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