あなたと一日中、
裸でのんびり過ごす。
悪くない提案に
すっかりその気になっていると…
甘露寺の底抜けに明るい声が、
屋敷に響き渡った。
あなたの友達だからな。
甘露寺には世話にもなっているし。
甘露寺が、団子を手に
居間に上がった。
あなたとの裸の時間が…。
まあ、楽しそうだからいいか。
それに…
団子をかじるあなたは、
何度見てもかわいい。
あぁ、またタレがほっぺに…。
甘露寺が、俺より先に
指でぬぐい取った。
すると…
俺は、玄関を開けて
無言ですぐに閉めた。
宇髄には頭が上がらないからな…。
仕方ない、開けるか。
ガラッ…
男ども3人が家に上がった。
やはり俺は嫌われてない。←
しかし、早く追い返さねば…。
あなたが、俺の背中に隠れた。
こんなに大勢に急に囲まれて、
無理もない。
ああ…
俺とあなたの時間が…。
なんだかんだ、4人と俺とあなた、
6人で夕方まで宴会をした。
時透が、あなたの腕を
さっとつかむと、
あなたを床に押し倒した。
時透の長い髪が、
あなたの顔にかかる。
不死川が青筋を立てている。
不愉快だ。
俺のあなただぞ。
あと少し続いたら、
時透に殴りかかるところだった。
14とはいえ、男だ。
しかも柱。霞柱。
油断ならない。
あなたは、
甘露寺の影にさっと逃げると、
甘露寺によしよしされていた。
ようやく、みんな帰って行った。
半日終わってしまった。
あなたが、俺の着物を
キュッとつかんだ。
今度は、俺があなたをよしよしする。
小さくうなずくと、
スルリと着物を脱いでくれた。
あなたは、俺にもたれかかると、
ひざにおさまった。
そして、やっと安心しきった顔を
見せてくれた。
俺だけに特別心を開いてくれることが
俺にはこの上ない喜びだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。