第45話

千客万来
7,340
2020/11/07 10:11
あなたと一日中、
裸でのんびり過ごす。

悪くない提案に
すっかりその気になっていると…
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
こんにちは!
あなたちゃんいるー?
甘露寺の底抜けに明るい声が、
屋敷に響き渡った。
あなた
はーい!
あなたの友達だからな。
甘露寺には世話にもなっているし。
あなた
義勇さんちょっとー!
義勇さん
義勇さん
なんだ
あなた
蜜璃ちゃんが、みたらし団子
いっぱい買ってきてくれたんです

上がってもらっていい?
義勇さん
義勇さん
かまわないが…
甘露寺が、団子を手に
居間に上がった。
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
甘味処で大売り出ししてたの
冨岡さんもどうぞ!
義勇さん
義勇さん
ああ
あなたとの裸の時間が…。
あなた
お茶いれますねっ!
まあ、楽しそうだからいいか。
それに…
あなた
あむっ…
団子をかじるあなたは、
何度見てもかわいい。

あぁ、またタレがほっぺに…。
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
あなたちゃんたら
甘露寺が、俺より先に
指でぬぐい取った。
義勇さん
義勇さん
……。

甘露寺は、任務ないのか?
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
非番だから、来たのよ!
義勇さん
義勇さん
それもそうか
伊黒は?
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
任務よ!
すると…
宇髄さん
宇髄さん
おーい
不死川さん
不死川さん
冨岡いるかァ?
時透くん
時透くん
こんにちは
義勇さん
義勇さん
は?
俺は、玄関を開けて
無言ですぐに閉めた。
宇髄さん
宇髄さん
おいっ(笑)
宇髄には頭が上がらないからな…。
仕方ない、開けるか。

ガラッ…
義勇さん
義勇さん
非番の日にまでなんだ
不死川さん
不死川さん
時透がどうしても
おまえの嫁さんに会ってみたいって
昨晩、盛り上がってな
不死川さん
不死川さん
(俺も会いてぇし…)
義勇さん
義勇さん
見世物じゃないぞ
宇髄さん
宇髄さん
まあまあ、土産も持ってきたしよ
ほら
義勇さん
義勇さん
…少しだけだぞ
時透くん
時透くん
好きになったりしないから
安心しなよ
義勇さん
義勇さん
当たり前だ
男ども3人が家に上がった。

やはり俺は嫌われてない。←


しかし、早く追い返さねば…。
あなた
こ、こんにちは…
不死川さん
不死川さん
よォ、久しぶり
宇髄さん
宇髄さん
いちゃいちゃしてるとこ
悪ぃな
あなた
そんなっ…
義勇さん
義勇さん
まったくだ
あなたが、俺の背中に隠れた。
こんなに大勢に急に囲まれて、
無理もない。
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
あらぁ~!
宇髄さん
宇髄さん
甘露寺もいたのか
ちょうどいい、宴会だ
義勇さん
義勇さん
待てっ…
誰が宴会なんて
ああ…
俺とあなたの時間が…。
あなた
大丈夫です義勇さん
皆さんのお土産を
お皿に出しますね
宇髄さん
宇髄さん
悪ぃな
義勇さん
義勇さん
あなたっ…
なんだかんだ、4人と俺とあなた、
6人で夕方まで宴会をした。
時透くん
時透くん
ふーん、あなたは18歳かぁ
僕より4つ上だね
あなた
時透くんは、
その年で柱なんて、
お強いんですね
時透くん
時透くん
強いのは腕だけじゃないよ
試してみる?
あなた
えっ…と…
宇髄さん
宇髄さん
おいおい時透、
あんまりからかうなよ
時透くん
時透くん
え?
僕、本気だけど
時透が、あなたの腕を
さっとつかむと、
あなたを床に押し倒した。

時透の長い髪が、
あなたの顔にかかる。
あなた
きゃっ…
義勇さん
義勇さん
何をするっ!!
時透くん
時透くん
冨岡さんで、満足してるの?
僕がシてあげようか
あなた
あの…/////
不死川さん
不死川さん
時透ォ…
離せ…
不死川が青筋を立てている。

不愉快だ。
俺のあなただぞ。
義勇さん
義勇さん
離せ
時透くん
時透くん
いやだね
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
きゃあー!
あなたちゃんの取り合いだなんて
キュンキュンするわ!
宇髄さん
宇髄さん
時透、あなたは冨岡の嫁だ
離してやれ
時透くん
時透くん
…わかったよ
あと少し続いたら、
時透に殴りかかるところだった。

14とはいえ、男だ。
しかも柱。霞柱。

油断ならない。
義勇さん
義勇さん
すまないが、
もう帰ってくれないか
あなたは、
甘露寺の影にさっと逃げると、
甘露寺によしよしされていた。
宇髄さん
宇髄さん
…だな
不死川さん
不死川さん
悪かったなあなた、
またなァ
蜜璃ちゃん
蜜璃ちゃん
あなたちゃん、
また来るわね!
あなた
はい…
皆さんお気をつけて
ようやく、みんな帰って行った。
半日終わってしまった。
義勇さん
義勇さん
あなた、すまなかったな
あなた
義勇さ~ん…
あなたが、俺の着物を
キュッとつかんだ。

今度は、俺があなたをよしよしする。
義勇さん
義勇さん
今からでも…いいか?
やっと二人きりだ
あなた
もうそんな気に…
義勇さん
義勇さん
何もしなくていい
ただあなたと裸で
のんびりしたいんだ
あなた
…コクン
小さくうなずくと、
スルリと着物を脱いでくれた。
義勇さん
義勇さん
あなた…
あなたは、俺にもたれかかると、
ひざにおさまった。

そして、やっと安心しきった顔を
見せてくれた。

俺だけに特別心を開いてくれることが
俺にはこの上ない喜びだった。




プリ小説オーディオドラマ