~不死川目線~
久しぶりにあなたに会った。
かいがいしく皿を運んだり、
皆の話に耳をかたむけるあなたは…
でも冨岡の嫁だ。
あなたが冨岡を慕っていることも、
いやというほど、見せつけられた。
いい加減、あきらめて
忘れねぇとな…。
急いで追ン出されたから、
冨岡んちに、
手荷物忘れてきちまった…。
急いで引き返すが…
縁側の障子が開いているのが見え、
塀の外から、声をかけようとした。
あなた!?
は…裸…!?
まだ昼間だぞ。
やべぇ俺…
これじゃのぞきじゃねぇか…。
だが見るのをやめらんねぇ…
あなた、綺麗な肌してやがる。
あんなに冨岡の野郎に寄り添って…。
くそォ…。
柔らけぇんだろうな…
そんでいい匂いが…
ハァッ…
かわいいふくらみだなァ…
きっとスベスベで…。
俺は急いで隠れた。
本当何やってんだ…
情けねぇ…。
ピシャ…
障子が閉められた。
だが、声は聞こえてくる。
はぁっ…。
仲いいじゃねぇか…。
くそォ…。
屋敷までの帰り道、
いや帰ってからもずっと、
あなたの裸といたずらな声が、
頭にこびりついて離れなかった。
白く、なめらかな裸体…。
───俺のモンにしたい。
俺の屋敷に連れてきて、
二度と出さなければ…。
でも…。
あぁ…一度だけ…
一度だけ抱いたら、忘れるから…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。