第3話

手紙2
1,988
2019/01/13 08:10
20個目に子供を抱えたかった。と書いてあった。
新しい奥さんとの間に子供が出来た。
新しい奥さんには申し訳ないが、結局いつもあなたのことを考えてしまう。
奥さんもそれに気付いてくれていて、そっと寄り添ってくれる。
流石、あなたの親友だよね。俺は嫁の親友と不倫とかアホすぎ。どんな事してもあなたは俺から離れないと思ってた。俺達の未来は長いと思っていた、だって癌は治ったって言ってたから
25個目、お父さんとお母さんのとこ行って欲しい。結婚してるなら奥さんも連れてってね。子供も。
ここで手紙が途切れた。
次の日。俺はあなたのご両親の元へ行った。
待ってましたと言わんばかりに彼女のご両親は俺らを迎えた。
そしてあなたのお母さんに渡されたのは真っ白な封筒だった。開けてみれば、手紙の続きが。
お父さんとお母さんは元気だった?しっかり、家族のこと紹介してあげてよね。
徹、私の親友のこと幸せにできてる?私の事なんて考えてちゃダメだよ笑...って考えさせてるの私なのにね。

願い事はあと半分あるけど付き合ってよね。

26個目、奥さんにモンブランを買ってきてあげてね。徹の会社の近くのモンブランだよ。奥さんはそのモンブランが大好きでよく一緒に食べてたんだよ。
仕事の帰り道奥さんにモンブランを買って帰った。2つ。あなたの分と、奥さんの分。あなたの分はあなたの家に置いてきた。
奥さんは「ごめん。あなた、ほんとごめん。」って泣きながらモンブラン食べてたよ。
27個目。私からの贈り物、全て捨てなさい。

最初に書くべきだったんだけどね。徹の家にある私との思い出があるもの全てね。流石に家は売り飛ばしちゃダメだよ笑。
俺は初めてあなたの願い事を聞かなかった。
正確には、彼女とお揃いのネックレスだけは捨てないで、それ以外は泣きながら捨てた。

まぁ、全てじゃないから変わらないな。
28個目、バレーをまた始めてよ。私に気を使ってバレーやめたけど、奥さんはあんたのバレーやってる姿が好きなんだって。

岩も、松も、花もあんたのこと待ってるよ。
29、30...



40個目、私の実家に行って、置いてある紙袋を、紙袋に付いてるタグに書いてある名前に届けてきて。
3つの紙袋。
それぞれに
影山飛雄、牛島若利、徹の両親と書いてあった。
そしてその紙袋を持ち上げれば、1枚の紙が。
飛雄と若利くんと和解しなさい。徹の両親には短い人生幸せでしたと伝えてよ。
少し嫌々だったけど、ウシワカと連絡の交換ぐらいはした。

飛雄とは別に仲悪くないし!まぁ好きじゃないけどさ!?

父さんと母さんのところに行けば、2人とも号泣だった。二人と一緒に紙袋を開けてみれば、両親への手紙。
徹と一緒に読んでくださいって。
徹、この手紙を読んでいるということはの徹に聞いてもらってるお願いは残り少ないんだよ。御両親に配達ご苦労さま。

お義母さん、お義父さんお二人の子供の徹は、バレーにしろだとか何にしろ、天才だとか言われてきたけど、努力家なんですよ。オーバーワークし過ぎるとこがあるから、岩や、私の代わりにぶっ叩いてくれていいんですからね笑。たまにうざいけどそれでもカッコイイ徹は自慢の旦那ですよ。
私はお二人のような両親になりたかったけど、その夢は儚く散ったんですよね。

多分お義母さんの性格なら徹の再婚反対したんじゃないですか?もう結婚してそうだから遅いけど、お嫁さんを迎え入れてください。とてもいい嫁ですから。

孫を沢山可愛がってくださいよ。
あなた
母さんは、この日を境に嫁に優しくなった。

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