ギシ……ギシ………
暗く静かな兵舎に響く。
え?今何をしているかって?
そりゃあおめぇ、深夜の飯に決まってらぁ!!!!
この時代の飯、それも兵士の飯なんてものはガッチガチに管理されていて間食なんてしたら即刻罰される。
俺だって怒られたくない。でも今回はそうするに至った経緯があるのだ…
というわけです。
そんなこんなで思い出しつつもどうにか食堂にたどり着き、花沢少尉の権限で空いているだろう扉を開く。
いつもなら兵士がごった返しているというのに、今では嫌に静かでがらんとしていた。
いつもは気にならないような寒さが身に沁みて、それを振り払うようにキッチンに向かった。
まだ少尉も百之助も来てないようなので都合がいい、ぱっぱと作ってしまおう。
まずは自腹で買った鶏の胸肉、豚肉をそれぞれ処理していく。
胸肉はじっくり火を通して、豚肉は焼いた後に醤油みりんのタレにつけておく。
うどんを5玉ほど沸かす。オレが食べたいから!!!!
出来上がったものに天かす、それぞれの肉をドドンと盛り付けたら……
完成!あなたの名字の腹ペコうどん!!
見栄えを気にして端っこに寄せられた山のような豚肉と2枚の胸肉をみて、早く2人が来ないものかと思ったその瞬間、扉がギギギと音を立てて開いた。
席についた百之助に、音が鳴らないよううどんをお出しすると「馬鹿なのか」という目線で見られた。
もしかして俺が食堂の材料で作ったと思ってんのか……?
ズルズルと小さく、少しずつ暖かいうどんを食べていく。
肉に齧り付いて、飲み込んで、一言。
そう言って再び静かに食べ始めた百之助に、俺はニヤッと笑って静かに言ってやった
なんかめちゃくちゃに怒ってそうな百之助の目線を感じつつ、「麺伸びるぞ」と急かして食べさせる。
そんな最中に、またもギギギと小さく扉が開く。
花沢少尉の姿を認めた瞬間、尾形がもう十分だと言わんばかりに立ち上がってはその場を離れようとしていた。
少し思い悩んだようにしてから恨みのこもった視線とともに着席した尾形と、またしても何も知らない花沢少尉が並んだ。
と言葉だけの慎ましさを見せて、例のうどんをお出しする。
少しばかし悩んだあと、時計をちらっと見て手を合わせた。
そのタイミングで、尾形に目線で合図を送る。
尾形は一瞬戸惑って……そして理解して、二人同時に言ってやった。
「これで貴方も共犯ですね」
あのあと、花沢少尉の手土産で一杯……いや五杯?
わからないけどたくさん飲んで食って、結局証拠隠滅もせずその場で雑魚寝をかました。
(花沢少尉は机に突っ伏してたケド)
でも怒られたのは俺と百之助だけだった。
なんでやねん。
因みに5玉のうち2玉は尾形、花沢少尉に、のこった一玉だけが俺の分だった。
かなしかったです。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。