第25話

23話─1つ目の話の終幕─
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2020/03/27 16:09
戸関 涼
戸関 涼
彩夏ちゃん、好きです。
驚いて、頭が何も考えられなくなった。


でも、そういうわけにも行かない。


返事をしないと…


とは思うけど、少し嬉しくて。
こんな、冷たく何も出来ない私に、


好意を向けてくれる人がいたことに。


冷やかしとか、じゃなくて。


目を見たら分かる、本気。


しかも、そいつは、


私が厳しく言葉を掛けた相手で。


え?そういうヤツなの?


厳しいのが好きみたいな?


………と、どうやら違うようで。


付き合ってください?


───あの涼からそんな言葉が、


私に向けて、出てきたんだ。


しかも、いつもと違う真剣な目で。


まだ、私も、彼も、


お互いのことを全然知らないのに。


だけど、
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…ごめん、無理。
せめても、って言ったら、失礼だろうか。


彼は、私なんかとじゃ釣り合わないし。


もっと可愛くて、大事にしてくれる人がいる。


今日や、前助けてくれたことも含めて、


多分めちゃめちゃ優しいのは分かる。


だから、こそだ。


私なんかに、


そういう期待させること言っちゃダメだよ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
嬉しかった。
精一杯だった。


きっと、悲しんでいるのかな。


それとも、嫌いになったかな。


いつも明るい声で名前を呼んで、


優しくしてくれて。


しつこいけどね。


諦めて、くれるなら。


それで良いんだ。
戸関 涼
戸関 涼
でも、俺諦めないよ!!
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
し、知るか!!勝手にすれば!?
戸関 涼
戸関 涼
…え!?良いの!?
戸関 涼
戸関 涼
アタックし続けるね!
勝手にすれば、っていうのは、


引き離す意味で言ったのに。


『良いの!?』『し続ける!』……って。


ほんと、どんだけ優しいのかな…。


『友達』になることは、階段で表すのなら、


一段上に上がることが出来たのかな。
名前を呼ぶことは、更に上に行けたのかな。
こんな期待されない私に、


優しく優しく扱ってくれるのを実感したら、


顔も赤くなってしまった。
そうだ、最初から決め付けすぎていた。


人を信じて、大切にする。


そういう面は、まだまだ私達は青く、未熟だ。


だから、
戸関 涼
戸関 涼
大好き彩夏!
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
嫌いじゃない。
いつか階段の一番上に来れた時。


貴方がまだ私を好きでいてくれたなら。


その時なら、もしかしたら、


私が貴方の隣に居たいと、


心から思えているかもしれない。
冷たい態度なのは、大切に思っているからだと、


いつか、言える日が、来たら良いな。








─────涼&彩夏────────END

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