第10話

8話
96
2020/03/29 11:39
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…ん?
朝、学校に来て、下駄箱を開けたら。


手紙が入っていました。





────こんな漫画みたいなことある!?
え?ど、どうしよ、今、開けたら人通るし…
とりあえず、クラスに向かいながら、


人気の無いところに…
私はうるさい心臓を黙らせる様に胸を叩いて、


ゆっくりとそのメモを開けた。
手紙の中身は、




蝶矢彩夏様へ


放課後、伝えたいことがあります。

旧校舎の桜並木に来てください。





─────ん!?それだけ!?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
せめて名前は書いてよぉ…
…いやいやいや、じゃなくて。


伝えたいこと!?桜並木!?


な、何故そこまで行かなきゃいけないの…


え、ま、さかだけど、


〝告白〟とかじゃ…ないよね!?
香川 立来
香川 立来
ぅっわ!!びっくりしたぁ!
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うわぁぁっ!!!
曲がり角に居たから、曲がってきた立来が、


大袈裟だろってくらい驚いていた。


そして私は気付いたのにも関わらず、


その声で驚く…という。
香川 立来
香川 立来
お、落ち着け(笑)なんでこんなところにいんのさぁ。(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
い、いや別に…
そうだ、手紙…


私はゆっくりと立来に見えないように隠そうとするけど、


その姿も込みで、どうやら、
香川 立来
香川 立来
…ほほぉ。
察してしまったらしい、殴りたい。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
ばっ、何知った気になってんの!
香川 立来
香川 立来
彩夏にもついにモテ期かぁ…
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
~~~ッ!違うって!
香川 立来
香川 立来
はいはい、で、誰からぁ?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うぅ…誰にも言うなよ?
もうコイツになら仕方ない。


私は周りに誰もいないのを確認して、深呼吸。
香川 立来
香川 立来
はいはい。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
名前…書いてないんだよね。
香川 立来
香川 立来
…え?(笑)それほんとに彩夏宛てぇ?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
フルネームだよ言わせんなバカ…
香川 立来
香川 立来
oh…(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
こ、こわっ、どうする?
集団リンチとかだったら…
香川 立来
香川 立来
んな訳あるかぁ(笑)第一さ、
彩夏がそんな喧嘩売るようなこと…
香川 立来
香川 立来
してるか。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
自覚はあります…
香川 立来
香川 立来
うん、どんまい。されて来い。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
殴るよ。
ちょっと腹立ったから、小さくローキックをかます。
香川 立来
香川 立来
もう蹴ってんじゃん(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
えぇ…怖…(無視)
香川 立来
香川 立来
無視かよぉ。まぁ大丈夫大丈夫、
この学校平和だし。
香川 立来
香川 立来
そーゆー噂流れてる生徒も、
居ないでしょ?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うん…
香川 立来
香川 立来
告白だったら振れば良い!
彩夏の元気さはどこ行ったのさぁ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
振るの確定かよ。
…まぁ…うん、ありがと立来。
香川 立来
香川 立来
はいはい、
そろそろ人来るし、教室行こぉ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
クラス別ですけどね。
香川 立来
香川 立来
それ言ったらカッコつかないじゃん。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
あはは、カッコ悪い位が立来は丁度良いっつの。
香川 立来
香川 立来
何それ酷ぉ。
戸関 涼
戸関 涼
あーやっかちゃんっ!!
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
……もしかして。
香川 立来
香川 立来
……あぁー!君か!!
そうか、それなら辻褄合うし…


考えたくもないけど…多分…
戸関 涼
戸関 涼
え!?何々!?どゆこと!?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
……聞くのも嫌だけど、心当たりは?
戸関 涼
戸関 涼
…???んー………無いっ!!
香川 立来
香川 立来
無ぇのかよ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
う、嘘でしょ!?じゃあ誰よ!!
若干見えた、絶望の光さえも消えたか…


もうだったら誰なのさ…
戸関 涼
戸関 涼
なっ、何が!?
香川 立来
香川 立来
うぅん、これ言ったら彩夏怒らない?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
いいよ、コイツ関係ないなら。
香川 立来
香川 立来
どっちのいいよ?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
言わんでよし。
香川 立来
香川 立来
だそうです。
戸関 涼
戸関 涼
えぇ…!?そこまで言われて…?
心配だなぁ…どうしたの…?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うっさい!関係ない!
戸関 涼
戸関 涼
な、なんで怒ってんの~!
香川 立来
香川 立来
まぁまぁ。
と、その場は立来が収めてくれた。


危ない危ない、意味もなくぶん殴るとこだった。


…と、それより、手紙だよ…。


やっぱさ…行くしか…無いよね…。

プリ小説オーディオドラマ