朝、学校に来て、下駄箱を開けたら。
手紙が入っていました。
────こんな漫画みたいなことある!?
え?ど、どうしよ、今、開けたら人通るし…
とりあえず、クラスに向かいながら、
人気の無いところに…
私はうるさい心臓を黙らせる様に胸を叩いて、
ゆっくりとそのメモを開けた。
手紙の中身は、
蝶矢彩夏様へ
放課後、伝えたいことがあります。
旧校舎の桜並木に来てください。
─────ん!?それだけ!?
…いやいやいや、じゃなくて。
伝えたいこと!?桜並木!?
な、何故そこまで行かなきゃいけないの…
え、ま、さかだけど、
〝告白〟とかじゃ…ないよね!?
曲がり角に居たから、曲がってきた立来が、
大袈裟だろってくらい驚いていた。
そして私は気付いたのにも関わらず、
その声で驚く…という。
そうだ、手紙…
私はゆっくりと立来に見えないように隠そうとするけど、
その姿も込みで、どうやら、
察してしまったらしい、殴りたい。
もうコイツになら仕方ない。
私は周りに誰もいないのを確認して、深呼吸。
ちょっと腹立ったから、小さくローキックをかます。
そうか、それなら辻褄合うし…
考えたくもないけど…多分…
若干見えた、絶望の光さえも消えたか…
もうだったら誰なのさ…
と、その場は立来が収めてくれた。
危ない危ない、意味もなくぶん殴るとこだった。
…と、それより、手紙だよ…。
やっぱさ…行くしか…無いよね…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!