第18話

16話
92
2020/03/17 03:00
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
殺されるか…ブッ飛ばされるの…
どっちが良い?(満面の笑み)
香川 立来
香川 立来
ごめんごめんごめんって!!(笑)
違うの!?凄い仲良さそうでしょ!?
恐ろしい笑顔で拳を構える彩夏に、


必死の抵抗をして宥める。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
今すぐ眼科行った方が良いと思う。
香川 立来
香川 立来
そんなガチで言われても…(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
え!?あれが、嫌そうに見えない!?
香川 立来
香川 立来
うーん…何か…人懐っこい犬と警戒心強い猫が戯れてる様にしかぁ…。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…………。
香川 立来
香川 立来
無言止めてツラい。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
好きとか、無い。
ほんとに。冗談抜きで。
香川 立来
香川 立来
これっぽっちも?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うん、だって、嫌いだし。
香川 立来
香川 立来
そーゆーズバッと言うとこ嫌いじゃないけどさぁ…
うん…悩まないのね…。可哀想に涼クン…。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
そりゃどーも(笑)
香川 立来
香川 立来
…なんで?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
え?
香川 立来
香川 立来
どーして涼クンが嫌いなの?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…チャラ男は嫌い。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
あと、普通に羨ましい。腹立つ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
言動も行動もうるさいし。
香川 立来
香川 立来
でも、それすなわち彼のことそれだけ見てるんでしょ?
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
!……あっちが付いてくるだけ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…そしたら見るでしょ、仕方無く。
香川 立来
香川 立来
ひねくれてんねぇ…(笑)
言い訳可愛いなぁ、小学生か。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…大体さ、なんで私があんなに酷いこと言ってるのに、
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
そんときは少し控えめだけど、
次の日には元に戻ってるし。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
あぁ、嫌がらせ?かな。
香川 立来
香川 立来
いや、違うと思うよぉ…。
この感じはボケとか皮肉じゃないんだよね。


彩夏の場合は。


マジで言ってるから、逆に反応に困るんだよぉ…。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
どうせ、しつこく付きまとえば、
好きになるとか。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
バカみたいなこと考えてんでしょ。
香川 立来
香川 立来
素直に好意として受けとることはできないのかね。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
人の心はそう暖かくないぞ。
香川 立来
香川 立来
…そーゆーとこだぞ彩夏!!
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
っわ、何、やめっ。
何か寂しそうな顔をして俯く彩夏を、


俺は頭を撫でてやった。
香川 立来
香川 立来
お前はもう少し人を信じろ、
んでもって好きになれ。
香川 立来
香川 立来
いつまでも閉ざしてると、
お前に幸せはやってこないからな。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…カッコつけちゃって。
香川 立来
香川 立来
うん、自分でも思う。でも本心。
俺は彩夏の目を見て、少し微笑んだ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…あーあ!
香川 立来
香川 立来
うぉ、どした。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…もう少し優しく接しろ、ってこと?
香川 立来
香川 立来
おぉ!分かった!?
だから、何かされたらで良いんだよ!
香川 立来
香川 立来
涼クンだって仲良くなりたいだけなんだからねぇ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うん、仲良くしたくないんだけどね。
香川 立来
香川 立来
コラコラ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
…でも、この前助けてもらったから。
香川 立来
香川 立来
お?それは知らないぞ…?(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
あっ、いいの!
香川 立来
香川 立来
ふぅん、助けて、ねぇ…(笑)
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
うっ…帰ります!バーカっ。
気まずそうに立ち上がり、玄関へ向かうとこを付いていく。
香川 立来
香川 立来
あら、最中どーも。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
こちらこそどーも!!
香川 立来
香川 立来
あはは、素直でよろしぃ。
蝶矢 彩夏
蝶矢 彩夏
お邪魔しました!
香川 立来
香川 立来
また来てねぇ。(笑)
と、彩夏は自分の家に帰っていった。


少しだけど、俺が彩夏の『助けてもらった』話に、


首をつっこもうとした瞬間、耳が赤くなってた。


おいおいもう何かあったのかよ。(笑)





あーあ、………羨ましいねぇ。

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