第33話

さんじゅうさん
2,192
2019/09/09 17:48
お花見から半年後


外の季節は秋真っ最中

少し寒くなってきてるのかな?


どうなんだろう。

久しぶりに外に行きたい。
コンコン
数原龍友
数原龍友
来たで
あなた

龍友くん

あなた

外寒い?

数原龍友
数原龍友
涼しくなって過ごしやすいで
あなた

そっか……

数原龍友
数原龍友
元気ないな、何かあったか
あなた

ううん

数原龍友
数原龍友
外行くか?
あなた

聞いてみないと

数原龍友
数原龍友
そんなの聞きに行ってあげるわ
あなた

外行きたい

数原龍友
数原龍友
待っとけ
そう言って龍友くんはナースステーションに

外に行っていいか聞きに行ってくれた
数原龍友
数原龍友
30分ならいいって
あなた

やった

そう言って車椅子で外に行く






私の病気はゆっくりになっていたはずが急に牙を向かれ

急に早くなった。


足は完全に動かない。

左手は少ししか動かない。


もう誰かの手を借りないと生きていけない

そのため、何かあったら困るから念のために入院をした



その時私はもう絶望になっていた

でもそれを変えてくれたのはメンバーだった

自暴自棄になってた私をみんなが叱ってくれた

それで私は気づいた。


"こんなこと思ってる場合じゃない"ってことを

それからなんとか今こうやって必死に動かない体とともに

生きてる





病院の中庭に着き、龍友くんがベンチに座った
数原龍友
数原龍友
寒くないか?
あなた

全然

数原龍友
数原龍友
風邪ひいたらダメだからな
あなた

わかってるよ

数原龍友
数原龍友
寒かったら言うんやで
あなた

うん

そう言って私は空を見上げる


あとどのくらいなのだろう

人工呼吸器はつけるのかつけないのか

もしつけなかった場合、どうなるんだろう

つけた場合もどうなるんだろう


見えない不安に苦しい日々で

人工呼吸器のことをまだメンバーには話してはいない

話しても絶対に"つけて"と言われるのはわかってるから

あなた

龍友くん私……

私の言いたいことをわかったかのように
数原龍友
数原龍友
あなたは生きる。大丈夫や、絶対に
あなた

うん

ただ一言に私は

"怖い"

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