お花見から半年後
外の季節は秋真っ最中
少し寒くなってきてるのかな?
どうなんだろう。
久しぶりに外に行きたい。
コンコン
そう言って龍友くんはナースステーションに
外に行っていいか聞きに行ってくれた
そう言って車椅子で外に行く
私の病気はゆっくりになっていたはずが急に牙を向かれ
急に早くなった。
足は完全に動かない。
左手は少ししか動かない。
もう誰かの手を借りないと生きていけない
そのため、何かあったら困るから念のために入院をした
その時私はもう絶望になっていた
でもそれを変えてくれたのはメンバーだった
自暴自棄になってた私をみんなが叱ってくれた
それで私は気づいた。
"こんなこと思ってる場合じゃない"ってことを
それからなんとか今こうやって必死に動かない体とともに
生きてる
病院の中庭に着き、龍友くんがベンチに座った
そう言って私は空を見上げる
あとどのくらいなのだろう
人工呼吸器はつけるのかつけないのか
もしつけなかった場合、どうなるんだろう
つけた場合もどうなるんだろう
見えない不安に苦しい日々で
人工呼吸器のことをまだメンバーには話してはいない
話しても絶対に"つけて"と言われるのはわかってるから
私の言いたいことをわかったかのように
ただ一言に私は
"怖い"
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。