第4話

私の過去2
1,682
2020/06/07 08:39
酷い時にはご飯もくれない。寝る布団もなし。
そんな毎日だった。
私がここまで生きてこれているのは 兄、侑と治の存在だと思う
侑 「いつも守ってやれんくてごめんな」
治 「あなたには、俺らが着いとるから安心しぃ」
あなた 「ありがとう!」
ご飯をくれない時は
侑 「あなた〜、こっちや〜
侑 「母ちゃんにバレへんようにおにぎり作ってきた!一緒に食べようや」
治 「俺の分もあげるわ」
そう言っていつも私を助けてくれた。
寝るところがない時も
侑 「俺らの布団入るか?」
治 「暖かいで〜」
侑と治だけは、私のことを〝家族〟として見てくれてた
それだけが私の救いだった
なのに神様は最後の救いだったものまで奪っていった











何故か父親がすごく不機嫌で帰ってきた
私は今日こそほんとに死ぬんじゃないか

そう考えた
やっぱり、父親は裏切らなかった
父親が手に持っていたのは




カッターだった
あなた 「ひっ…」
カチカチカチカチ
と 不気味な音をたてて近寄ってきた
あぁ、死ぬ
そう思った瞬間
父親が私の手を掴み、カッターで手足を切りつけた
体は血だらけになり、私はその場に倒れ込んだ
痛い痛い痛い痛い

苦しい苦しい苦しい
目からは涙がこぼれ落ち、目の前には血だらけのカッターが落ちていた
私は気を失いかけた
けれど、すぐに目が覚めた
父親の手にあるものを見たから























父親はヘアーアイロンを持っていた
年長の私でもわかった

触るとやけどする
父親はそれを首に当てた
じゅゅゅ
肌が焼ける感触だった
痛いとか苦しいとかは感じられなかった。

けれど、ひとつ思ったのは











〝助けて〟
だった。
その瞬間頭に思い浮かんだのは

侑と治だった
言ったらもっと酷くなるのはわかってる。
わかってるけど 私は言った
あなた 「侑!!治!!助けてー!!」
ほぼ悲鳴に近い叫び声で叫んだ
父親 「黙れ!!」
父親は私の首をつかみ、しめようとした
あなた 「がっ…ぐっ…」
ドタドタドタ
音が聞こえる。侑と治だろう
侑 「っ!」
びっくりするだろう。
妹が首をしめられているのだから
でも…これで助かる。死なずにすむ



















そう思っていた

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