第27話

2人の鈴鹿
225
2021/12/08 07:00
数時間前ー
炭治郎
炭治郎
ん…。
炭治郎は目を覚ました。あたりは暗く、月明かりが部屋を照らしている。
炭治郎
炭治郎
…これは……。
炭治郎は、目を覚ます前までは見えていなかったものを見つける。
それは、まるで道標のように続いている黒くて細いモヤである。
まるで「こっちにきて」と言っているような道標に従って、炭治郎はベットの隅に置いてある刀を持って歩き出した。
________________________________________________
今ー
炭治郎
炭治郎
道標に従って来たらここに着いて…はあ、お腹もすいたし、引き返そうか…とは言っても、右も左もわからない……。
完全に八方塞がりだ。
???
なぜだ?
炭治郎の前に人が現れる。
炭治郎
炭治郎
だ、誰だ?!
ここに来てから鼻が効かない。この状況で未知との遭遇は危険だ。
人物は顔が見えるまで近づく。
炭治郎は言葉を失う。
炭治郎
炭治郎
…す、鈴鹿さん…?
だが、雰囲気が違う。
鈴鹿?
鈴鹿?
なぜお前は腹をすかせている?
炭治郎
炭治郎
え?
炭治郎
炭治郎
そ、そりゃあ腹くらい空きますよっ!
鈴鹿?
鈴鹿?
この空間は、我の世界。普通の人間は入ってくることすらできないはずだが…。
炭治郎
炭治郎
我の世界…?
鈴鹿?
鈴鹿?
くくく……
炭治郎
炭治郎
?!
炭治郎は思わず距離を取る。
鈴鹿?
鈴鹿?
あっはっはっ、そうかそうか。お前は腕の邪気に憑かれた者か。
炭治郎
炭治郎
な、何をいって…
鈴鹿?
鈴鹿?
つまりお前は腕に導かれし者、コソコソと失礼した。
鈴鹿?
鈴鹿?
やはり鬼ならば骨ごと喰ろうてやろう!!
炭治郎
炭治郎
っ!
炭治郎は刀を構える。耳飾りがきらりと光る。
鈴鹿?
鈴鹿?
その耳飾りは…そうか、お前はあの男の後継者か。これはいい、お前を喰う理由ができた。
鈴鹿?
鈴鹿?
あの日の屈辱の復讐として、お前を喰ってやろう!!
………………
ドゴォン!!
炭治郎
炭治郎
ぐあっ!
炭治郎は突き飛ばされる。
鈴鹿らしき者は、地面に手を突っ込む。
鈴鹿?
鈴鹿?
いるいる、いるぞ。ここには我のしもべが!
ボコンと地面から手を出すと、頭蓋骨が手の上にあり、ケタケタと笑いながら襲って来た。
炭治郎
炭治郎
くっ、「水の呼吸 壱の型 水面斬り」!
骸骨達を一掃してもまた復活する。
鈴鹿?
鈴鹿?
その程度か、大したことないな。
炭治郎
炭治郎
(この強さ、出鱈目すぎる…。)
強すぎる。全く歯が立たない…。
鈴鹿?
鈴鹿?
やれ!
鈴鹿は骸骨達に命令する。
骸骨達は、炭治郎に飛びかかる。
炭治郎
炭治郎
なっ!
炭治郎は骸骨達の下敷きになり、身動きが取れなくなった。
炭治郎
炭治郎
うぐぅ…お、重い……。
完封された。
そう思った時だ。
パァン!
骸骨達は砕け散った。
炭治郎
炭治郎
な、何が………。
???
何してるのですか!
聞き覚えのある声が聞こえて来た。
見てみれば、鈴鹿が鈴鹿らしき者に固め技をかましている。
炭治郎
炭治郎
す、鈴鹿さん!?
鈴鹿
鈴鹿
なぜこんな雑魚に手を焼いているのですか。
炭治郎
炭治郎
え、これって…え、…どういう……。
鈴鹿?
鈴鹿?
アッハッハ、なんてことだ。本体自ら来るとはな。
炭治郎
炭治郎
え、てことは俺が知っている鈴鹿さんがこっちで…あっちの鈴鹿さんは…?
鈴鹿は手をほどき、鈴鹿らしき者と向き合う。
鈴鹿
鈴鹿
久しぶりですね、我が相棒。
鈴鹿?
鈴鹿?
ああ、何百年振りだろうか。お前、我を忘れていたか?
鈴鹿
鈴鹿
貴方を忘れたことなどありません。
炭治郎
炭治郎
あの、鈴鹿さん…!
炭治郎は鈴鹿に声をかける。
炭治郎
炭治郎
その人を倒すのを手伝ってくれるんですよね…?
鈴鹿は不安そうに見つめる炭治郎をチラリと見る。
そして目を逸らす。
鈴鹿
鈴鹿
さあ、相棒…。
2人は手を交わす。
鈴鹿
鈴鹿
再びひとつになろう!
鈴鹿らしき者の姿は消え、鈴鹿の左腕が次々と再生されていった。そして、真の姿へと変わる。
鈴鹿童子
鈴鹿童子
我が名は鈴鹿童子。完全体となった我に恐るるものなどない!
炭治郎
炭治郎
あなたも敵になるんですかっ!!
炭治郎は思わずツッコミをしてしまう。
鈴鹿童子
鈴鹿童子
これを食え。
鈴鹿童子は笹に包まれた包みを投げ渡す。中にはおにぎりが2つ入っている。
鈴鹿童子
鈴鹿童子
空腹のお前を喰っても旨くないからな。
彼女は本気で自分を殺す気だ。
炭治郎
炭治郎
……やるしかないのか…。
炭治郎はおにぎりを頬張る。

プリ小説オーディオドラマ