第23話

鬼の腕
243
2021/11/07 06:27
翌日ー夜ー
炭治郎は禰󠄀豆子が入った箱を背負って山道を歩く。
そこには鈴鹿もいる。
「私を旧竈門家に連れて行ってください。」
鈴鹿が何を考えてるのかはわからない。だが、鈴鹿から怪しい匂いはしない。
2人は無言で道を歩く。
そして…
旧竈門家ー
炭治郎はついて次第息を呑む。もう何年振りの我が家に、懐かしさと悲しさが込み上げてくるのだ。
炭治郎
炭治郎
…さあ禰󠄀豆子、着いたぞ。
炭治郎は禰󠄀豆子を外に出す。
禰󠄀豆子
禰󠄀豆子
むぅ…。
禰󠄀豆子も懐かしさに浸っている。
炭治郎
炭治郎
それで、何をすればいいんですか?
鈴鹿
鈴鹿
この家の中で、細長い箱を見つけて欲しいのです。
炭治郎
炭治郎
わかりました。
炭治郎は家の中に入る。家は埃だらけで、鼻がいい彼には、まだあの日のような血の匂いが薄く残っている気がした。
2人は探し物を探し始めた。
炭治郎は押し入れの中をあさる。沢山の物をのけ、床板が見えるまでにきた。
すると、床板の間が歪んでおり、指を入れたら引き剥がせそうなくらいの間が空いていた。
炭治郎は床板を外す。
そこにはひとつの箱が土をかぶって置かれている。
箱を取り出し、土を払い除ける。すると、箱には札のようなものが貼られており、そこに文字が書かれてある。達筆な文字を炭治郎はなんとかして読みとく。
炭治郎
炭治郎
…「鬼の腕」……?
炭治郎は箱を鈴鹿に見せようと立ち上がる。
その時だ、
ブワッ!!
箱の隙間から邪気が溢れ出し、炭治郎は邪気で包まれた。
炭治郎
炭治郎
うわあああ!!
鈴鹿
鈴鹿
炭治郎、どうしましたか?!
炭治郎の悲鳴を聞きつけた鈴鹿は、急いで駆けつける。
禰󠄀豆子
禰󠄀豆子
ムゥッ、ムゥ〜!!
炭治郎は倒れており、禰󠄀豆子がゆすり起こそうとしているが、一向に起きる気配がない。
あたりにその原因となるものは見当たらない。
鈴鹿
鈴鹿
っ!
鈴鹿は、何かの気配を感じた。
鈴鹿
鈴鹿
禰󠄀豆子ちゃん、炭治郎をお願いします。
鈴鹿はそういい、気配を追う。
気配を追って、鈴鹿は家の裏側に来る。
そこには、あの男がいた。
鈴鹿
鈴鹿
無惨っ…。
無惨
無惨
ああ、久しいな鈴鹿よ。
無惨は鳴女の襖の前で、今にも立ち去ろうとしていた。
彼の手には、「鬼の腕」と書かれている箱が握られている。
鈴鹿
鈴鹿
その箱を返してください。もう封印が解ける直前なのです。
無惨
無惨
ならば私の元に戻ってこい。そうすれば返してやろう。
鈴鹿
鈴鹿
嫌です。あそこに私の居場所はありません。
無惨
無惨
…私の要求を、断るというのか。
鈴鹿
鈴鹿
貴方達のもとに戻る気はありません。私には、私の生き方があります。
無惨
無惨
そうか…今なら慈悲をかけてやろうと思ったが…残念だ。
無惨はその後何も言わずに襖の奥に消えていった。
ベベン!
三味線の音が響く。
鈴鹿
鈴鹿
早く帰りますか…。
鈴鹿は、日が上らない内に、炭治郎を背負って蝶屋敷に戻った。

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