第5話

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805
2022/12/11 05:45
乾さんの後ろに続いてどこに行くのやら歩いている。今更ながら、どこに行くのかわからない私はふと駅にある荷物を思い出した。
あなた
あの、駅寄りたいです
そう言うと今から駅行くよと笑って返された。
考えてみると、今からどこに行くのか不思議になってきた。実家にいた頃は特に誰からも遊びに誘われることはなかったし、結構夜中に家に帰ってきていたからこんなことって初めてだ。それに親には何か言われていたような気はするけど、うるさすぎて無視をしていたので、正直覚えていない。でも流石に気になってきたので、乾さんに聞いてみることにした。
あなた
乾さん、今からどこ行くんですか
本当に気になって聞いてしまった。
あ、ごめんね言ってなかった。うちの会社のオフィスだよ。詳しくは電車の中で話そうと思ってる
そうなんですねと返事をして駅までの道のりを並んで歩く。誰かと一緒に歩くと言うこと自体今日が久しぶりで、隣の乾さんは何気ない顔をしているけど、私は内心、心臓がバクバクだった。
 乾さんの後に続いて電車に乗った。喫茶店で私の一切合切の1部を話してしまったことを後悔しつつも、正直に話せて少し気持ちが楽になった。
次降ります
ぼーっとそんなことを考えながら車窓を眺めているとそう声をかけられた。はいと私は頷いて大きなリュックを担ぎ直してキャリーケースを引く。
ドアが開き、押し出されるように外に出た。でもホームには思いのほか人はいなくて乾さんについて行くのは簡単だった。
駅の改札を出て5分ほど歩けば目的地に着くらしい。ので後ろについて歩く。
着きました。ここです
あなた
おっき
と思わず声を漏らしてしまうほどだった。

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