★前回のあらすじ
任務から帰ってきたあと、野薔薇ちゃんに怒られた鏡花ちゃん。如何やら、恵と野薔薇ちゃんは京都高専の先輩に会ったそうです。それはそうと、交流会が始まります…
交流会当日。
東京校の敷地内に、野薔薇の大声が響く。
其の手には、大きなボストンバックとスーツケースが握られていた。
パンダが冷静にツッコミを入れる。野薔薇はポカンと呆気に取られた表情で、
其の台詞に、其の場の全員が頭上にハテナを浮かべた。
如何やら盛大な勘違いが起こっていたらしい。
呆れた声色で真希に同調する恵。鏡花も近頃の野薔薇の様子を思い返して、小さく頷く。
…此処数日、渋谷や新宿に連れ回されていた理由が漸く判明。先に言ってあげれば良かったかなと、鏡花は一寸だけ反省した。
鏡花の言葉に大声で悪態を吐く野薔薇。
よっぽど京都観光を心待ちにしていた様だ。
パンダの言葉に、棘も「しゃけ」と首を縦に振る。
「京都でやったから見てねーけど」と真希はぼやく。
聞き慣れない名前が飛び出して、鏡花は首を傾げる。
鏡花の疑問に恵が律儀に答えてくれる。
恵曰く、乙骨先輩は11歳の頃に死別した恋人、「里香」に憑かれて、秘匿処刑と言うことで高専にやって来たらしい。階級は、五条や夏油と同じ、特級。
最初の頃こそ鏡花の褒め倒しに戸惑っていた恵だが、もうすっかり慣れた様で、淡々と返した。
会ったことねーけどよぉ!!と膝を突いて叫ぶ野薔薇に、パンダは「ヒザ汚れるぞ」と何処かズレた発言をかました。
そんな二人(一人と一匹)を尻目に、真希が
と言い放った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!