廊下
「ほんとにすみません。ほんとに未知の世界で……」
『そんな謝らんで?うちも最初はそうやったから!』
『てか、改めて思ったけど背高くない!?』
「あ、はい。高い方ですね175です」
『ちょ待ってや。高すぎて』
「先輩何センチですか?」
『それ嫌味? 四捨五入して160やわ!』
「それ、155でもそうですよねw」
『157です〜!』
『なんならさ、こうやって会ったのもなんかの縁だし、先生の前以外ならタメでええよ、あなたでええし』
「え、でも……」
『敬語使われると肩身狭いし、身長高い人に敬語使われると変な気分w』
「先輩がいいなら」
『いいよー全然!』
「じゃあ」
『うん!』
「あの、あなた先pa……あなたは、何部なん?」
『最初は慣れんよねwうちは、ダンス部!』
「え、マジ!? 俺ダンス部入ろうと思ってたんよ!」
『ほんま!?ぜひぜひ入って〜!』
『てか、タメになると俺なんやね』
「あ、ごめんやっぱ、そこは僕にしたいた方がええ?」
『ちゃうちゃう、変えて欲しいとかやなくて驚いただけやから俺のまんまでええよ』
「ありがとう!」
『感謝されることも言ってないけどな?w』
(いい子やなぁこの子 モテそうやわ)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!