貴）えと、旧図書室って
ここだよね、？

旧図書室なんてあるのは
知ってたけど
行った事なんてなかったな〜

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

貴）た、多田くんいる、？

図書室の中は思ったより
誇りっぽくなく
以外に清潔感があった

貴）いない、？

ｶﾞﾀｯ

貴）ﾋﾞｸｯ

教室の奥の方から
なにか物音がした
私は少し怯えながらも
音がした方に向かった

貴）だ、誰かいますか〜、？

音がした方には
座椅子がありそこに
人らしき何かが横になっていた
毛布のようなものが
かかっていて誰かまでは
わからなかった

貴）た、多田くん、？

毛布をめくると
そこには眠っている
多田くんがいた

貴）寝てる...

なんか、綺麗な寝顔だな...

貴）覚えてないだろうな〜

私が貴方を好きになった
理由なんて...

アレは高校受験の合格発表の日
私は１人で発表を見に行った時

貴）うぅ、気持ち悪くなってきた...

極度の緊張で気分が悪くなり
高校近くのベンチで
グッタリしていた

??）大丈夫ですか？

貴）え、？

そんな時話しかけてくれたのが
多田くんだった

春）俺、多田春馬って言います
これよかったら水どうぞ

貴）え、いいんですか？

春）受験生ですよね？
これから合格発表を見に行く
感じですよね？

貴）は、はい...

春）俺もなんですよ
緊張しますよね
あ、どうぞ

貴）ありがとうございます...

初対面なのにこんなに
優しくしてくれて
しかも水をくれるだけじゃなく
私の体調が良くなるのを
待ってくれて
その間も気さくに話しかけてくれた

春）じゃあ後期にして
初めてなんですか？

貴）はい、前期の前日に
インフルエンザかかっちゃって

春）そうだったんだ
じゃあ余計に緊張するよね

貴）うん、笑

気が付くと敬語も取れてて
私達は友達のように
中学の事や家族の事を
話し合っていた

春）そろそろ大丈夫そう？

貴）うん！ありがとう！

その後一緒に高校まで行き
２人で結果を見た

貴）えと、私のは...
うぅ、人が多くて見えないや、

春）何番？俺が探すよ

貴）ホントに、？
えとね、99番なんだけど

春）99番...ん〜
あ！あるよ！！

貴）え！！ホントに！？

春）おう！！

貴）やった〜！！！

春）よかったな！！

貴）うん！！多田くんは？

春）えっとね...お！！
あった！！

貴）ホントに！？
やったね！！

春）今年１年よろしくな！！

貴）うん！！

この時の多田くんの
笑顔に私はやられちゃったんだよね

貴）なんて、貴方は
きっと覚えてないだろうな笑